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 今月の井上 優さん

アジアからの留学生の声を聞く


        レーシアを襲ったヘイズ(煙害)も漸くおさまり、真昼はジリジリと照りつける太陽、夜空には満点の星が帰ってきた。
         と同時に雨期に入り、その影響をあまり受けないマレー半島東側に位置する首都クアラルンプールでも、夕方になると雷を伴ったどしゃぶりスコールとなる季節がやってきた。それも大概ラッシュ時とぶつかる為に渋滞がさらにひどくなり鬱陶しい日が続いている。でもヘイズに比べれば気分的にはずっといいけど。

        た、日本人や欧米人がクリスマスだ〜、年の瀬だ〜とはしゃぎたくなるこのシーズンに、国民の60%強を占めるマレー人(イスラム教徒)はプアサ(断食)に入り、彼らにとっては辛い季節を迎えることとなる。一月末のハリ・ラヤ・プアサ(マレー正月)までの約一ヶ月間、彼らは太陽が沈むまでは何も食することができない。毎年感じる事だが、断食に入ると彼らは元気がなくなり、我々も何かと遠慮がちになってしまう。食べ物の話題は避けたり、昼食もひっそりと食べたりと。ホテル等もこの時期にはサービスが低下するので、お正月をマレーシアでという日本の方は覚悟をしておいた方がいいでしょう。人間食べてないと頭も体も動かないもの。ちょっとの事は大目にみてやってください。(笑)

        鬱な話を敢えて続けるわけではないが、最近騒がれているアジア全体の通貨下落。マレーシアもご多分に漏れず、お隣りタイ同様に深刻な問題となってきている。政府も躍起になって規制を強化しているが、打ち出した政策の中には「海外からの留学生を積極的に受け入れていこう」という前向きでいいなぁと思える政策もあった。単純に言うと外貨獲得の一手段という事なのだが、元々取りにくかったビザの制限を緩くして、学生間の国際交流を深めるというのはこの国の将来にとってもいい事だと思う。

        が友人と運営している「JalanJalan」なるHPにも、最近日本の若い方から「マレーシアに留学したい..」「マレーシアでマレー語を勉強したい..」というメールが届くようになってきた。そんなメールのやり取りから発展して、現在二人の学生が年明けからのマラヤ大学留学を目指して日本からやってきている。
         今、彼らは同世代のマレーシア人からいろいろな文化を学び、また離れたところから日本を学んでいる。私もそうだが、海外に出てから自分の国を知るという機会は多々ある。
         海外から見た「自分の国」、そして「外国人として今滞在している国」。そんなテーマでアジア各国から日本に留学している学生達が発信しているHPを見てみることにしよう。彼らが綴っている“自分の国”を読むのも楽しいし、彼らの目に映った日本を見るのもまた面白い。

        レーシアはクラン出身で日本留学中の安煥文さんが発信する<DrifterHomepage>。マレーシアの人だからこそわかるマレーシアについて語っている。今は立場が逆転してマレーシアにいる日本人の私から見ても、とても面白く読めるサイトだ。
         <HinSeng's DREAM PAGE>もやはり日本留学中のマレーシアン丘興成君のページ。彼の夢は会社を作ること。以前に仕事がらみでマレーシアの若い世代を対象にあるリサーチを行った事がある。「一番欲しいものは?」という質問に「キャリア」と答え、「将来なりたい職業は?」に「経営者」と答える若者が実に多かった事を思い出す。これも文化のあらわれだろう。彼のページからはその「夢」に向けて日本で頑張っている様子がうかがえる。
         金 正勲さんが発信している<kimuchi-net>では留学生活を通して、韓国と日本の文化の違いに触れている。受験戦争、学歴社会のくだりでは何処も同じで「受験は辛い!!」を実感させられる。
         中部大学留学中の学生達のHPをまとめた<小森研究室>のページでは、トルコのジハットさん、韓国の金奇玄さん、スリランカのインディカさん&サナットさん、タイのイサラハットさんをはじめとした33人の学生達がそれぞれの国のこと、日本について感じている事をストレートに表現していて興味深いものがある。
         <JIIC>はインドネシアを中心にした留学生の間の情報交換、日本人との交流の場を提供するページとなっており、日本人として彼ら留学生との接点を持ちたい方にとっても有意義なページだと思う。オーストラリアからの留学生ポール・クランチュさんによる、<日本で学ぶ>は「困った時はここに相談」など留学生のための情報交換の場となっている。

         海外の情報をその国の人から直接聞くというのは、まさに“生の声”だけに説得力がある。
         またどのホームページでも驚かされるのが、日本に来て1〜3年程の学生達が見事に日本語で発信していること。彼らの勤勉さには頭が下がる。マレーシアに来て3年近くなるが、未だマレー語がままならない自分が小さく見えてしまう。言い訳をさせてもらうならば、ここでは日常生活も仕事も英語で問題なく通じてしまい、敢えてマレー語を必要としないから。でもやっぱり言い訳だな、これは。