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 今月の井上 優さん

海外で学ぶ日本の子供達


        マレーシアはちょうど季節の変わり目。と言っても常夏の国だから春を迎えるわけではなく(残念ながら..)、雨期が終わりを告げ、乾期に入ろうとしているってこと。マレー半島西側に位置する首都クアラルンプールは、半島東側や東マレーシア(ボルネオ島)に比べると雨期の影響が少なく、毎日雨が絶え間なく降るという事はない。あまり雨期、乾期の差が明確じゃないんだ。でもこの変わり目の時期には日本では想像がつかないような大雨が短時間に集中して降る。それはそれは凄まじい、南国情緒がドバ〜ッと溢れるようなこれぞ「スコール」ってやつ。道路はにわか洪水で遮断され、水に浸かって動けなくなる車が続出する。それでも「スコール」だけに長くても一時間で雨は止み、そして灼熱の太陽があっと言う間に水を吸い上げていく。蛇足だが、日本では激しい夕立のことを「scowl」と自然に表現するが、海外、少なくともここマレーシアでは全く通じない。「shower」もしくは「heavy rain」が正しいようだ。マクドナルドで「フライドポテト」が日本でしか通用しないのと同じだね。(笑)

        節の変わり目と言えば、この時期には多くの日本人が帰国の途につき、また新しい「在留邦人」がやってくる。3月期末の人事異動というのはここの日系企業にとっても同じなわけだ。特に今年は「アジア不況」の煽りを受けて、例年より帰国者が多いと言われている。ここに住んでいる日本人の平均滞在期間は3〜5年で、その間子供達の大半が現地の日本人学校に通うこととなる。ペナン、ジョホールバル、コタキナバルにも日本人学校があるが、何と言っても<クアラルンプール日本人学校>の規模が圧倒的に大きい。幼稚園から中学校まであり、1500人以上の生徒を抱えるマンモス学校で、その施設も日本の大学並みの素晴らしいものだ。教育カリキュラムは全て文部省のガイドラインに沿って行われ、先生も3年を任期として日本からやってくる。ここにいる限りは日本と同じ教育環境のもと、子供達は義務教育を受けることができる。その日本人学校でも3月末は先生も生徒も入れ替わりが最も激しい時期で、その分春休みは日本の学校よりも長く設定されており、4月の半ばまで約一ヶ月のロングバケーションとなっている。

        この日本人学校に通っている子供達と、英語やその他の言語に基づいて教育を受けている欧米各国に住む日本人の子供達とを、同じ括りで「海外子女」と呼ぶには違いが大きいと思うが、現地の日本人学校がかなり整備されているアジア各国の日本人子女を抱える駐在員家族にとっても、海外に住んでいるが故の教育問題というのは、多かれ少なかれ共通するものを抱えている。例えばマレーシアの場合、中学までは日本人学校があるが、高校からはインターナショナルハイスクールに通わなくてはならなくなる。ここに住んでいる限り、日本の小中学校の生徒よりは確実に英語力はついているものの、それでもいきなり高校受験をインターというのはかなり厳しいものがある。そこで滞在期間と相談しながら、インターに行く可能性がある子供は中学から通わせるケースがかなり増えつつある。その見極めが難しいところだ。インターに入れば、各国の子供達と同じベースで教育を受けることとなる。そうすると今度は、大学受験はどうするか、日本のどの学校が「帰国子女」を受け入れてくれるのかと、親として気になる事が後を絶たなくなる。そこで今回はそんな海外在住のご両親向け、これから海外に赴任予定の方向けのサイトを少し探索してみた。

        外子女教育情報「Eduos」>では、海外にある日本人学校、及び日本人が入りやすい現地のインターナショナルスクールの詳細が国別に網羅されている。また帰国を控えた人達にとっても、日本国内の「帰国子女」受け入れ校が県別にリストアップされているので、有効な情報源となるだろう。 <CLARINET>は文部省海外子女教育課が中心となって運営しているサイトで、海外からの教育相談、海外渡航直前の相談をネット上で受け付けてくれる。海外に住む日本人にとって、日本の各種情報というのは常に手探り状態にあり、こういう公共機関が運営するサイトをインターネットを通じて利用できるというのは心強い。 またユニークなところでは<Sweetheart Net>というホームページがあり、ここでは“世界中のパパとママを結ぶネットワーク”をコンセプトに、海外ならではの子育ての悩み、教育情報をサイト、メーリングリストを通じて共有している。日本人社会が小さい「海外父母」にとっては、気軽にお話ができる絶好の場となっている。 また、これは教育問題に直接関わるというものではないが、参考書やドリルの類を日本の知人から送ってもらったりしている海外住まいの子供達に、<漢検ホームページ>はインターネット上で気軽に漢字の学習をする場を提供している。無料で級別の模擬テストも受けられ、親子で楽しみながら漢字の勉強っていうのもたまにはいいだろう。

        た最近では海外の日本人学校でもホームページを持っているところが増えてきており、下記に示した通り、アジアを見渡してもほぼ各国で運営されている。これから未知の国に子供と共に赴任されるご家族の方にとっては、イメージ作りとして最適だと思う。

        外に住む子供達、そして親達は、日本では決して体験できない貴重な文化や人とのふれあいを自然に手にすることができる。その反面、日本では簡単に手に入るものや情報も容易には入手できない。そんな海外在留邦人にとって、近年のインターネットの充実度は強い味方であり、手放せない貴重な情報源になっている。親の悩みのひとつであった子供の教育問題も、インターネットの使い方次第で日本との距離がさらに縮まっていくことだろう。