井上優

マレーシアの首都クアラルンプールには現在約一万人の日本人が在住しています。昨年当地「ジョホールバル」で行われたW杯最終予選の興奮、感動はそのまま本戦に引き継がれ、小さな日本人社会ながらも連日大いに盛り上がっています。

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◆◆今月の井上さん〜 海外生活で見つけた自分の時間◆◆

来サッカー、ラグビーが大好きな私にとって、W杯というのは4年に一度のとびきり楽しみなイベント。おまけにこれが海外で迎える初めてのW杯であり、ましてや日本が初出場とくればもう寝不足なんて言っていられない。”海外で迎えた”メリットと言えば、日本より一時間早い時間帯に見れるという事かな。日本のように試合時間以外で特集プログラムが組まれる程の熱狂ぶりはさすがにないけれど、国営、民放を含めた3つのチャンネルでほぼ全ての試合を網羅しており、当地唯一の衛星放送<アストロ>でも全64試合をカバーしているのはオリンピック以上の盛り上がりと言える。やはりサッカーはここの数少ない国民的スポーツだからね。
 “遊び”の少ないこの国で、TVは市民の貴重な“娯楽”のひとつとなっている。とは言うものの、日本人にとってはさほど面白いプログラムもなく、こんなに長時間TVに向かっているのはマレーシアに来て初めてだろう。新聞の取り扱いも限られているので、試合翌日の楽しみはインターネットで<日刊スポーツ・W杯特集><Yahoo! - 1998 ワールドカップ>等を見ながら、「ふむふむ…」とうなずいているのが日課となってしまった。

段TVをあまり見ないというのは、たぶん海外在留邦人に共通することだと思う。そして、実はこれが「自分の時間」の“組立て”に大きな影響を与えている。こちらに来てしばらくして気付いた事なのだけど、日本にいる時は会社から帰ってくるとTVがついているか、無意識にTVをつけていたような気がする。そしてごく自然に、何となくTVを見ていたことが多かったような。少なくとも家にいながら「2、3日TVを見てないなぁ」なんて事はまずなかった。しかし、海外に住んでいるとそういった事がごく日常として違和感なく受け入れられてくる。そして今まで無意識にTVに費やしていた時間が、実はなくても生活していく上で全く支障のないことに気付いてしまう。

う一つ日本と海外の大きな違いは通勤事情。今、私の通勤時間は車で15分(これは海外といっても特に短い方だと思うが)で、日本にいた時よりも一時間短い。時間が不規則な仕事ゆえに帰宅が深夜におよぶことが多いものの、定時でまっすぐ帰宅すれば6時過ぎには「ただいま〜」となってしまう。すると翌朝出勤するまで14時間余りを家で過ごすことになるわけだ。その間せいぜいCNNのニュースを“流し見”したり、たまに映画を見たりするくらいで、TVに費やす時間はそう長くない。
 そうなると必然的に「自分の時間」、「家族との時間」が日本にいた時とは比べものにならない程ゆったりとなってくるわけで、これは海外に住んでいる方なら皆感じていることでしょう。そしてそれは海外に住んでいるが故の恩恵のような気がする。そんな生活が始まった頃は何か間がもてなくて、「暇だなぁ」なんて子供の愚痴を聞くこともあったが、徐々にそのリズムにも慣れ、家族の“世間話”も多くなっていった。そして家族各々が本を読みふけっていたり、絵を描いていたり、ピアノを弾いたりと「自分の時間」の設計をするようになる。さらに進んで、日本では全く挑戦しようとも思わなかった分野に入ってみようとチャレンジ精神が旺盛になってきたりする。時間があるからだ。
 ホームページ作りもその最たるもので、日本にいたら到底そんなことをしようとは思わなかっただろうなと思う。インターネットは正にそういった生活のリズムを作る上での“功労者”であり、必要な情報を絞り込んで美味しいところだけ抜き取ることができる上に、“番組表”に合わせることもなく、自分のリズムの中で好きな時に入手できるのはなんとも有り難いと思ってしまう。

んな事で家族揃ってまず“挑戦”を始めたのは「MIDI、XG楽器」。家内は昔からピアノ好きで、暇さえあれば弾いていたし、子供もこちらに来てから習い始め、興味が出始めたところだった。私はあの“弾き語り”ってやつに憧れながらも鍵盤を叩いたこともなく、「この年でピアノを始める」っていうのは若干抵抗があったものの、使い慣れたPCにキーボード、音源を組み合わせた「MIDI、XG楽器」にはすんなり入っていけた。最初は私がPCオペレーターで、家内と子供が弾く聞き慣れた曲をPC上で幾つもの楽器の音色に分け、オリジナルのアレンジを加えていくだけで結構楽しく過ごせた。そのうちに私もコード演奏に挑戦したり、作詞・作曲を試みたりと、新しい世界との出会いを充分に楽しんでいる。

た日本にいる頃は読書に時間を割く方ではなかったのに、最近では元々好きだった歴史もの、前から読んでみたいなと思いながらも長編に手が出なかった「司馬遼太郎」をのんびりと読み始めている。中でも「織田がつき、羽柴がこねし天下餅、座りしままに喰うは徳川」っていうあの様々な人間模様が交錯する戦国時代が好きで、「関ヶ原」、「城塞」、「尻啖え孫市」等をそれぞれの人物像を頭に描きながら読んでいると実に面白い。読んだ後にはネット上をうろつきながら、<石田三成><真田幸村と十勇士>のHPを見つけたりすると嬉しくなって、自分の描いていた人間像と比べたりして。 そして、<歴史小説の部屋>などを眺めながら、次はどの時代に入り込んでやろうかなんて考えていると興味は尽きない。

んな風に趣味も仕事も次は何をしてやろうかなんて頭の中で描きながら自分の時間設計をして、それなりにアジアでの生活を楽しんでいます。

まで日本では見えなかったものが見えてくる。それだけでもここに来た価値があったかなと思っている今日この頃ですね。

今回アクセスしたページ


ASTRO
(http://www.astro.com.my)
日刊スポーツ
(http://www.nikkansports.com/)
Yahoo! JAPAN
(http://www.yahoo.co.jp/)
石田三成のホームページ
(http://www.asahi-net.or.jp/~ia7s-nki/)
あずさ館
(http://www.yumehouse.co.jp/)
歴史小説の部屋
(http://city.hokkai.or.jp/~masato/)


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