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 今月の金子さん

古文書探してラブラドル海


        回に続いて検索エンジンの話です。いっそのこと当分の間この話題で押そうかとも思ってます。だって面白いんですよ〜、これが。
        変化の激しいインターネットの世界、検索エンジンにも次々と新しいものが出てきていますが、このところ話題となっているのが「goo」ですよね。3月に登場して以来、雑誌の広告や記事でずいぶん紹介されたので、すでに使っている方も多いと思います。今回は、このgooを使ってるうちに思いついて試してみたサーチの話をしましょう。

        gooの特徴として、登録されているURLデータの多さと、検索機能の豊富なことがありますが、その検索機能の一つに「日付検索」というのがあって、これは「ページが制作、更新された日時を指定し検索ができ」るというものです。「日時を指定」といっても、「○年○月○日以前(以後)で検索」といった、幅をもった指定もできるようになっています。
        で、これを見てるうちに思いました。「現在見られるWebページで一番古いのは何だろう?」って。日付検索を使えば、それがわかるんじゃないかと考えたんですよね。
        思いついたら、あとは実行あるのみ。
        まずはキーワードの入力ですが、今回は特に調べたい事柄があるわけではなく、ただ漠然と「古いページ」というだけですから、「http」と入力してみました。これなら、登録されているどのページの情報にもURLとして含まれている「はず」ですから、登録されているすべてのページを対象にするのと同じことになる「はず」です(なんか頼りないなぁ、違ってたら教えてね)。

        れに続く検索設定は「すべての語を含む」「海外のサイト」にしました。どうせなら、世界一古いのを探そうというわけです。肝心の日付の設定は、とりあえず現在から始めて、徐々に古いものを絞り込んでいくことにします。
        そうして検索したところ、1997年(月日はいずれも12月31日まで)以前のものは1,305,416件、96年以前は201,704件、95年以前は26,490件、94年以前は2,030件、93年以前は377件、92年以前は92年、91年以前は12件、そして90年以前では該当なしという結果になりました。
        件数については、検索した時期によって当然変わりますから、今みなさんが同じ条件で検索しても、違った値になるでしょう。とはいえ、とりあえず今回のサーチでは、91年のものが現状では一番古いとモいうことになります。
        それじゃあ、この91年以前の12件とはいったい何のページなのかというと、そのうちの11件はLotus社のFTPサーバーに入っている過去の広報関連の文書で、既に当該のURLは存在しないらしく、開くことはできませんでした。

        るはあと1件(日付は91年1月31日)。タイトルをクリックすると、開いたんですねぇ、これが。頭の中では「ジャジャ〜ン」と音が鳴って、まるでインディ・ジョーンズが古代の秘宝の隠し場所の扉を開けた時のような気分です(少しは「11 Searchers」らしくなってきたかな)。
        そこに現れた中身は……。う〜ん、これはどうやらWebサーバーについての解説文書の一部らしいぞ。しかし、誰が書いたものかわからないなぁ。それならと、ディレクトリを一つ上がって、他の文書を次々に開いてみました。いずれも同様の文書の各部分といったものですが、いくつかの文書のフッタに「Tim BL」のクレジットがあるのを発見。
        おおっ、これはまさしくWWWの開発者Tim Berners-Lee(現在「W3C」ディレクター)。では、さっきの文書もTimさんが書いたものに違いない!

        えてみれば、WWWが誕生したのは89年だけど、それが急速に普及しはじめたのは93年に「NCSA Mosaic」というブラウザが開発されてから。だから91年のこの文書は、現在にあっては文字通り古文書に類するものなのかもしれません。
        こんな文書が何気に置いてあるこのサイトはいったいどこなのか。さらにディレクトリを上がってホームページに出てみると……。そこはなんと、カナダのニューファンドランド島セント・ジョンズにある「Fisheries and Marine Institute of Memorial University of Newfoundland」(水産海洋大学)でした。

        〜ん、渋い。実に渋いです。カナダ東部の小島(といっても本州の半分くらいありそうだけど)にある海の学校のサーバーに、今や全世界を覆うWWWの黎明期の文書が転がっているなんて。いや、詳しい方にとってはどうってことないことかもしれませんけど、僕にとってはけっこう感慨深いものがありました。
        また、ここのページがいい味出してるんですわ。大学らしい、いかにも手作りという感じで、確かにチープな印象もありますが、ShockwaveやJavaでゴテゴテ飾られたページを見慣れた目には、逆に新鮮に映りました。よかったら、ぜひ一度ご覧ください(これで日本からのアクセスが増えたら、向こうの管理者は驚くだろうなぁ)。
        今回は、訪れたサイトは少なかったけど、面白い発見ができたサーチの旅でした。次回もこのノリで、また旅に出ます。

        れから、前回の記事に応援メールをくださった皆さん、どうもありがとう。これからもどうぞよろしくです。





        今回アクセスしたページ

        goo
        http://www.goo.ne.jp/index.html

        W3C - The World Wide Web Consortium
        http://www.w3.org/pub/WWW/

        NCSA Mosaic Home Page
        http://www.ncsa.uiuc.edu/SDG/Software/Mosaic/

        Fisheries and Marine Institute of Memorial University of Newfoundland
        http://www.ifmt.nf.ca/