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 今月の金子さん

真冬のパリにて明治を想う


        索エンジンを使っていると、該当件数が「×万件」などと表示されて、途方に暮れることがあります。それがどれくらいの量なのか、直感的につかめないんですね。紙であれば、一定の大きさというものがありますから、例えば本であれば「広辞苑くらいの厚さ」とか、図書館のカードであれば「引き出し一個分」というような了解の仕方が可能なのですが、画面上ではそれができない。
         検索エンジンによっては、検索結果が1ページに10〜20件くらい表示されて、それがあと何ページあるよ、というような表記をしてくれますが、数字で表されたからといって、必ずしも分かりやすくなるわけではないですね。よく使われる「東京ドーム何個分」という類の表現が何も伝えてくれないのと同じです。その他にも、「AND」や「OR」を使った検索条件の設定といったような分かりにくいことが、検索エンジンにはたくさんあって、それが多くの人にとって、インターネット上での情報探しを取っつきにくいものにしているように思います。検索という行為をもっと直感的に理解させてくれるような、斬新なインターフェースを持った検索エンジンが登場してほしいですね。

        て、前回は明治時代の文化に関するサイトを取り上げましたが、今回も2つご紹介します。いずれも、政治や経済を中心とした教科書的な歴史叙述とはまた違った、近代日本の一断面を感じることのできるサイトです。 <ZERO ZONE>は、Takahashi Shinichiさんが、近代建築や土木構造物を豊富な画像で紹介してくれるサイトです。Takahashiさんは、煉瓦建築の美しさに惹かれて、各地を訪ねては写真に記録するという作業を続け、その成果をページ上で公開しています。近代建築の画像を公開しているページは他にもありますが、「ZERO ZONE」の特徴は、煉瓦による構造物に重点を置いていること、対象地域が広範なこと、歴史的価値以上に構造物としての存在感や美しさを大切にしていること、などがあります。さらに、歴史的建造物として認知されやすい庁舎や銀行、住宅といった建築ばかりでなく、工場や倉庫、電力施設や水道施設といった構造物までをもカバーする視野の広さも特筆されます。名のある建築家の作によるもの以外の、設計者の個人名が特定できないような(つまり作家による「作品」としては認知されていない)建物にも、魅力的な建物が数多く存在することを教えてくれます。Takahashiさんは、各地を訪ね歩くなかで、多くの煉瓦建築が取り壊されたり、災害などで崩壊しつつある現状に直面したことから、煉瓦建築についての情報もページ上で募っています。心当たりのある方は、ぜひ協力してあげてください。
         <カリフォルニア大学リバーサイド校>にある<カリフォルニア写真美術館>では、<Nagasaki: the Johnson Albums>という展覧会をサイト上で展開しています。1895年(明治28年)から1910年(明治43年)にかけて宣教師として長崎に滞在したジョンソン氏の写真アルバムから、当時の長崎の姿を捉えた写真を展示したものです。写真の点数は決して多くなく、内容も絵はがき的な風景が主なのですが、美術館スタッフSzu Ann Chenによる短い文章とともに、百年前の長崎をひととき訪ね歩いた気分を味わうのも面白いでしょう。明治以来、数多くの外国人が日本を訪れ、探訪記を残した。いくつかのものは翻訳・出版されて我々も読むことができますが、彼らが撮影したであろう膨大な写真を目にする機会はなかなかありません。そうした写真群は、日本人の目がとかく外に向きがちな時代であっただけに、日本の近代を捉え直す際の貴重な資料となることでしょう。外国人の日本記録を扱ったサイトは他にもあると思うので、ご存じの方はぜひ教えてください。

        日、パリに旅行に行ってきました。仕事の合間を縫っての、まったくの観光旅行です。その際にいくつか、事前の情報収集に役立ちそうなサイトを見つけました。6月のワールドカップを控えて、フランス行きを計画しておられる方も多いと思うので、ご紹介しましょう。
         <Yahoo! France>は、お馴染みYahoo!のフランス版。画面構成は見慣れたものですが、言葉がフランス語になるだけで、ずいぶん雰囲気が変わるものですね。なお、フランス語を正しく表示するには、ブラウザの文字コード設定を変更するのをお忘れなく。
         <Serveur Officiel de la Ville de Paris>は、パリ市の公式サイト。旅行客、留学生、長期滞在者など、利用者の目的に応じて、公共性の高い情報を提供してくれます。
         <Paris Mode d'Emploi>は、パリの観光案内所が提供するサイト。基礎的な情報に加え、レストランやショッピング、イベントといった、街歩きの楽しみには欠かせない情報もカバーしています。
         <Les Pages de Paris>は、なぜか「.org」ドメインにある変わり種。世界中に散らばる、パリを愛する多くの人々がグループ作業で作成しているようです。扱う情報の範囲は上記2件に匹敵する(上回る?)ので、これも必見といえます。
         <Pariscope>は、パリを代表する情報誌のサイト。映画、演劇、展覧会など、イベントを中心とした最新情報が得られます。
         英語併記のサイトも多いので、フランス語が苦手でも大丈夫。いっそ全てのページをノートパソコンにダウンして、持っていくのもいいかもしれませんね。