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 今月の木暮さん

世界各地の「今」を見る


        がインターネットを始めてかれこれ1年になるが、様々な情報の中で当初から気になって気になって仕方ないものの一つに「ピープ・ホール」がある。
         「ピープ・ホール」とは直訳すると「のぞき穴」という意味だが、インターネットに於てはリアルタイムの映像を提供しているページの事を総称してこう呼んでいる。
         具体的に言えば、インターネットには様々なカメラが繋がっていて世界各地の「今」を映し出しており、各「ピープ・ホール」のページに飛べば自分の好きな時にそれらを見ることが出来るという、ただそれだけの話なのだが、これが意外とクールなのだ。
         なにもインターネットでわざわざ見なくてもテレビの衛星放送なんかで生中継してるじゃないかという反論も聞こえてきそうだが、チッチッチ、甘いよお客さん、である。何故なら、TVでは「この映像はこの時間にしか見れない」のだが、インターネットでは「見たいときに見れる」のだ。この差は大きい。(と思う。)

        えば海外をネットサーフィンしている時、あるいは遠方の友人と電話している時に「そっちは今どんな天気なんだろう?」というちょっとした欲求に即応してくれると、思わず「フフ、愛いヤツめ。」などといってマックを抱きしめてたくなってしまうし、狭っ苦しい自室で南アフリカの壮大な山々を見る、というシチェーションはなかなかエキサイティングなものだと思うのだが、みなさんはどう思うか。

        かし、これらのページには共通の欠点とも言うべきものがある。 まず第一に、このリアルタイムの映像というのが、大概なにもそこまでと思うほどにでかくて重くてやたらに遅いという事。(転送されてくる映像がじりじりと出現するのを電話料金を気にしながら待つ、というのは冷え込みのやけにキツイ元旦の朝に初日の出を待っている時の心境に近いものがある。) 第二に時間帯を間違えるとしょうもない映像しか見れない、というのも難点だ。
         「ああ、憧れのパリの今が見れるのねー!」などと期待に胸膨らませて出てきた映像が夜中で真っ暗だったりすると本当に本当にガッカリする。特に南極の夜の映像ときたらまさにRGB値=#000000の世界である。
         第三に文字通り「Just Looking」でしかなく、殆ど動きが無い映像というのがいささか寂しい。(たまに「LOOK ME !!」と書かれた看板をはりきって振り回しているすっとこどっこいがいたりはするが。)
         ならば自分たちで動きを出してみようと思い立ち、あらかじめ時間を決めて横浜の友人にカメラの設置されている「スタア食堂」に行ってもらったことがあるが、その夜、「CU-SEEMEのように話が出来るわけでもないし、しまいには何が悲しくて180cmのジャンボリーな男が小さなカメラの前でピースサインを繰り出し続けなければならないのか、といった黄昏た心境になってしまったよ。」と怒られてしまった。

        が、イベントのある時はかなりホットな映像がGETできるのもまた事実。実例を挙げるならば、ニューヨークの5番街での新年のカウントダウンや富士山の初日の出が小さなパワーブックの画面に映し出されたときは親子で感動しまくったし、千鳥ケ淵の荘厳な夜桜を、カメラのそばで宴会していた愉快なおぢさん達の姿と一緒に見られたのもなかなか楽しかった。

        こまで書いた時点で「ピーピング・トム」という名称を何んとはなしにフと思い出したのだが、今までずっと語感だけでこのトムというのは無邪気で朗らかな感じの快活な少年をイメージしていただけに、和訳すると「出歯亀トム」になるのだという事実に気付き、軽いショックを受けた私である。