栗田涼子

フランスでは近頃、殆ど毎日のようにどこかでデモが行われています。高校生、運転手、畜産農家、ホモセクシャルから、年金生活者のお年寄りまで。話には聞いていましたが、まさかこれほどとは・・・ さすがは革命の国です。

◆◆今月の栗田さん〜ミステリアス・ジャパン −インターネットで日本を知る−◆◆

外で生活していると、外国人が抱いている日本という国のイメージと、現実の日本とがあまりにかけ離れていることに驚かされることが間々ある。ニューヨークやパリなど、世界中の最新情報が常に行き交う国際都市ならばともかく、フランスの片田舎に住む人々にとって、日本は今なお、知られざる未知の国「ジパング」なのだ。悲しいかな、彼らが想起する日本とは、相変わらず、ゲイシャ・サムライ・ニンジャに代表されるステレオタイプの使い古されたイメージか、あるいはトヨタやソニーを生み出したハイテク産業国という顔の何れかである。ある時、ジーンズとスニーカーを履いていたら、「日本でもそんな格好をするのか?」と驚かれたことさえある。彼らは、日本人はみな敬虔な仏教徒で、着物を着て、畳と障子のある木造の家に住み、寿司や天ぷらを毎日食べていると思い込んでいるようだ。われわれ日本人が、さまざまなメディアを介して外国のあらゆる情報に日々浴しているのに対し、海外の国々では(ヨーロッパの先進国フランスにおいてさえ)日本についての情報があまりに不足している、或いは偏っていることの証であろう。彼らにとって、日本はいまだ神秘のベールに包まれた遠い国なのだ。あるフランス人のマダムに言われた言葉が思い出される。「ヴゼット テルマン ミステリウー!(あなた方日本人は、ホントにミステリアスね!)」

て、国境というボーダーが取り払われたインターネットの世界で、わが国「日本」はどんな表情をしているのだろうか。個人単位での自由な情報発信が可能なネット上では、ステレオタイプのイメージを払拭して、今日あるがままの日本を伝えることが可能なはずだ。現代に生きる日本人は何を考え、どんな生活をしているのか・・・ 素顔の日本を世界の人々に伝えたい。そんな願いと熱意によって生まれたサイトを探してみた。

 <Japan as it is>は、長い海外生活を経験した日本人男性によって運営されている。彼は海外滞在中、外国人から日本に関するさまざまな質問を受けたが、それに対して彼自身納得のいく説明ができず歯痒い思いをしたという。そうした経験から生まれたのがこのサイトだ。ここには、ごく一般的な日本人の生活や大衆文化についてのエッセイが綴られている。彼の視点を通して見た日本は、私たちが生きるリアルな日常そのものだ。例えば「演歌の女王」というエッセイでは、美空ひばりから長山洋子に至るまで、戦後の女性演歌歌手の系譜が紹介されている。琴や三味線など古典的な音楽は知っていても、日本のもう一つのトラディショナルである「演歌」を知る外国人は案外少ないだろう。この他にも援助交際、在日韓国人の問題をはじめ、日本のサラリーマン社会特有の終身雇用制度や忘年会、日本人と宗教、パチンコからラブホテルまでテーマは実に多岐にわたり、それらを通して等身大の日本の姿が浮かび上がってくる。

ころで、日本のいわゆる「お受験」の実態をルポタージュしたドキュメンタリー番組が、最近フランスで放映された。2〜3歳の幼児を対象にした私塾や、夜遅くまで習い事や塾に通う小学生、いじめが原因の自殺など、日本の教育現場の様子が生々しくレポートされていた。その後、たまたま出逢った若いフランス人夫婦に「日本では、あんなことが実際に行われているのか?」と問いただされ、返事に窮した経験がある。フランスとはあまりに違う日本の教育システムの現実を知り、彼らは相当ショックを受けた様子だった。こうした現代の日本社会の深層に根ざしているさまざまな問題を、積極的に海外に向けて発信しているサイトもある。
 毎月、多彩なテーマでインタビュー記事やエッセイを掲載するオピニオンジャーナル<Japan Echo>もその一つ。各分野の専門家や学者によって書かれた記事が3カ国語に翻訳されている。例えば教育問題に関するものに、<Problems Among Japan's Young><Charged-up Children: What Can We Do?>など過去にいくつかの記事が掲載されており、大変読み応えがある。また、働く女性をテーマにした<DAPPI>では、日本における女性の立場や職場環境、結婚観、育児などのテーマが採り上げられている。フランスでは相変わらず「大和なでしこ神話」がまかり通っているから、フランス人がこれを読んだら、日本女性の誤った(?)イメージを塗り替えるきっかけになるかも知れない。

 「侘び寂」に代表される洗練された日本人の美意識や、それによって育まれた伝統的な誇るべき日本の文化については、これまでも頻繁に海外で紹介されてきた。しかし、それらは日本を語る上でのキーワードのひとつでしかない。真の理解のためには、清濁含めた日本の現実を語る言葉もまた必要だろう。インターネットというコミュニケーション手段の発達によって、私たちの国「日本」が、世界の人々により身近になることを願うばかりだ。

今回アクセスしたページ


Japanese Temples & Shrines (英語)
(http://www.tmn.com/~mcgarity/sh/shrines.htm)
What is Sushi (英語)
(http://www.geocities.com/NapaValley/9205/index.html)
Japan as it is (英語)
(http://www.mars.dti.ne.jp/~ja1rna/index.html)
演歌−歌謡大行進(日本語)
(http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/1714/indexx.html)
Japan Echo (英・仏・スペイン語)
(http://www.japanecho.co.jp/)
DAPPI (英語・日本語)
(http://www.sm.rim.or.jp/~shioko/Edappi.html)


ここから思いついた言葉でホームページを検索!

InfoNavigator
*半角カナは使用できません
検索のコツ