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 今月の真柄さん

インターネットで村上春樹に会いに行く


        く知りたい事の一つに好きな作家の個人的な情報がある。その作家が外国人で現在活躍中の場合、これまでに入手できた情報というのは、本のあとがきに簡単に寄せられた翻訳者の紹介くらい。ウン十年前に英文科の卒論を書いたときには、現代作家は、資料が少ないからやめた方がいいというのが一般的だった。そこで、今月はインターネット上でどこまで作家にアクセスできるのか、作家関連のサイトをサーチする事にした。

        始めに、作品の面白さの割には日本で得られる情報量が少ないカナダの作家、マーガレット・アトウッドを選んだ。この作家は、数年前に映画化された「侍女の物語」の原作者として有名で、このほかにも3冊ほど日本語に翻訳されているが、自分の立っている足元がすこしづつ崩れていくような奇妙で不気味な読後感があり、他の作品ももっと読んでみたいという気を起こさせる。この奇妙な感覚の源泉へ近づけることを期待しながら、まずネット検索を英語版にして、著者の名前を打ち込んで検索すると、サイトが多数出てきた。その中からたまたま目に付いたホームページを選んでクリックすると、出てくる出てくる。プロフィール、生い立ち、出版物の紹介、書評、窓口として設けられたオフィスからはファンレターの返事、インタビューの返事、作品を書くに到った経緯、大学などでの講演会の記録、公の場に登場するスケジュール、変わったところでは園芸歴。英語を読むのは時間がかかるのでコピーして後でゆっくり読む。本屋や図書館や洋書店でさえ手に入らなかった情報を得て、すっかり嬉しくなってしまった。丁寧なブックレビューから奇妙で不気味な読後感のありそうな更なる一冊をピックアップして、次の作家へ。

        ステリー界の大御所、ルース・レンデルを検索すると、膨大な数のサイトが出てきた。あまりに多すぎて、見る気力が失せてしまった。何か良い方法がないものか。誰か教えて下さい。

        て、わが日本の場合はどうか。ネット検索かInfoseekを選んで適当に作家の名前を打ち込むとぱらぱらと出てくる。
         ノーベル賞作家の大江健三郎はさすがにサイトが豊富。ただし、英語版が多いが。村上春樹関連のサイトもたくさんある。村上朝日堂は、読者とのメイルのやりとりが記録されていて、読んでいると村上春樹が近しい存在に感じられる。

        薦めなのが、文芸批評家、加藤弘一氏のホームページ「ほら貝」。その中の「文芸ホットリスト」には、氏が選んだ文芸関連のサイトが数多く紹介されている。このサイトから入れば、サイト上をうろうろしたり、がっかりさせられるようなサイトに行ってしまう可能性は少ない。「文芸ホットリスト」は、ディレクトリ・サービスにも登録されている。このほかにも、氏の「読書日記」には、中身の濃そうな新刊の詳しい書評が載っていて、知的好奇心を刺激したい人にはお薦め。

        イツ在住の多和田葉子のサイトを探したら、ドイツ語しかなかった。日本語版を早く読みたい。英語圏でも言えることだが、作家の絶対数からいえば、まだまだサイトの数は少なく、たまたま自分の好きな作家のサイトがあればラッキーといった段階のようである。
        加藤弘一氏によれば、この一年で文芸関連のサイトが飛躍的に増えた(「ほら貝」の「エディトリアル」)そうなので、今後も魅力的なサイトが続々と登場することを期待したい。





        今回アクセスしたページ

        マーガレット・アトウッド ホームページ
        (http://www.web.net/owtoad/toc.htm)
        村上朝日堂
        (http://door.opendoors.eccosys.com/span/asahido/)
        ほら貝
        (http://www.win.or.jp/~horagai/index.html)
        文芸ホットリスト
        (http://www.win.or.jp/~horagai/salon/hot.html)
        読書日記
        (http://www.win.or.jp/~horagai/salon/read.html)