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 今月の真柄さん

アジア映画に心奪われる


        ジア映画の人気がここ数年の間に高まってきている様子だが、育児やら市民運動やらにうつつを抜かしている間に、この流れにすっかり乗り遅れてしまった。ビデオ屋に行って、読めない漢字で書かれた題名と少しキッチュな感じのビデオカバーの前に佇むものの、監督や俳優の名前には馴染みがなく、どれを借りればアタリかな・・・と思いめぐらし、結局、いつもの欧米系の新作を借りて帰ってしまう。アジアはまだまだ近くて遠い国なのか・・・。ところが、アジア映画をよく見ている人達に言わせると、こういうのは、とてもモッタイナイらしい。彼らのアジア映画評で多いのは、「何故かとても懐かしい」、「気持ちがホッとする」、「美しくて哀しくて涙が止まらなかった」、「日本ではもう失われてしまった何かがアジア映画にはある」等々。そんなに懐かしく、哀しく、感動、感涙できるなら、ここは一つ下調べの手間を惜しまず、狙いをつけてビデオ屋、いやもちろん上映していれば映画館へ足を運んでみたい。

        ジア映画の作品のあらすじを知るには、<デジタルアジア通信>の<エイジアンムービー>がわかりやすい。東南アジアからイランに及ぶ映画を、各々ストーリーと、ビデオがあるものはビデオジャケットを載せて紹介している。ここをざっと眺めるだけでも自分好みの映画が見つかる。

        優の写真とプロフィールを見たい場合は、英語のサイトだが、<AsianMovie Homepage>がおすすめ。

        ジア映画小事典>は、“映画の本一冊が丸ごとInternetに公開されるのは初めての試みかもしれない”とあるように、アジア映画についてかなり詳しく書かれている。中国、香港、韓国など国ごとに分類されているので関心のある国から入っていける。わたしは以前見た台湾の候孝賢(ホウ・シャオシェン)の作品を思い出しながら、台湾映画をクリックしてみた。彼の作品の中でも「非常城市」は、強く印象に残っている。あの映画の美しさ、悲しさ、その背景にはこんな事情があったのだ、ということがよくわかるのが、「小事典」の中の<台湾映画の社会的背景>。映画評論家、佐藤忠男氏が解説しているこのサイトからは台湾の複雑な政治事情が人々の生活の隅々にまで及んでいる状況、その結果、「非常城市」のような名作が作られた事がよくわかる。候監督の映画を見たことがない人も、この台湾映画のサイトを読めば、感動、感銘の時を求めて、深夜のビデオ屋に駆け込みたくなるかもしれない・・・。ついでに候監督映画のロケ地の写真を集めたホームページ、<候孝賢作品撮影地画像集>は、映画を見た後では、追体験ができるし、見ていない映画でも写真の一枚一枚に、懐かしさを誘われる。

        画瓦版>は、アジア、欧米を含めた映画の主だった作品を詳しく解説している。映画の題名がわかれば、“movie index”をクリックして、探すことが可能。こうして、「デジタルアジア通信」、「アジア映画小事典」、「映画瓦版」のサイト巡りをして、それぞれ参考にすれば、自分の嗜好にあうアジア映画が見つけられる。乗り遅れたわたしも、この冬は、サイトとビデオ屋巡りで、アジア映画に熱く心を奪われたい。