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 今月の真柄さん

春に読む本を探そう


        眠暁を覚えず。この季節に本を読んでいると、いつのまにか眠ってしまいます。夢の中では別の物語が進行して、あとから本の中を捜してもみつからず、実際に本で読んだ話なのか、夢でみた話なのか区別がつかなくなったりします。眠いのは春のせいなのでしょうが、読んでいる本がおもしろくないということもあるかもしれません。今年の春こそは、眠くならないくらいおもしろい本を読みたいものです。本探しに出版社のホームページをあたってみました。

        つじ書房がだしている<書評ホームページ>は、書評、ネット上の書評サイトへのリンクが豊富で、他の出版社のホームページへのリンクも幅広く網羅されています。このページだけでも、何時間でも、何回でも楽しめそうです。本好きならアクセスして、ブックマークする価値ありのぺージだと思いました。

        INSCRIPT>は、ひつじ書房の「書評ホームページ」から見つけた海外文学を紹介するページです。海外小説をめぐる座談会や書評が充実しています。リンクページは、現代作家、ミステリ作家を中心にリンクされていて、利用価値大です。この「INSCRIPT」のユニークなところは、始めにホームページが開設され、後から本が出版されたということです。一つのホームページ上に人が集まってきて、考えを出し合い、やがて本が生まれていく・・・。インターネットと出版の新しい関係。そんな印象を受けました。

         他にも充実した出版社のページはありそうです。

        ーラルネット>は、子供ができたり、エコロジーや自然食に関心を持つと一度はハマると言われている農文協のホームページです。この頃は料理もマンネリ気味なのですが、一時、ここから出されている納豆の本や精進料理の本や甘さ控えめ油控えめのお菓子の本など、かなりお世話になりました。豆腐のドーナッツ、ひじきのクッキー、納豆ピザ、豆腐チーズ、柿の天然酵母パンなどなど摩訶不思議な味を求めて、実験的創造的料理に情熱を注いだものです。「ジャンル別新刊案内」を参考にして、再び新たな料理に挑戦しようかしらん。次は、ベトナム家庭料理入門なんていいかもしれない。目次のところをクリックすると、魚の酸味スープ、豚ミンチの香草包み焼き、カキのガーリックバター焼きなどなど想像するだけで涎のでそうなメニューが並びます。さらなる未知の味としては、貝と青いバナナのスープ、スルメとグレープフルーツのサラダ、ヘチマとエビの炒め物、海藻となつめのココナッツミルク・・・いったいどんな味なのか作りたくて食べたくてウズウズしてきます。

        知の味にいざなってくれるのが農文協の料理本だとすると、恐怖を味あわせてくれたのが講談社の<立花隆「同時代を撃つ」ホームページ>でした。湾岸戦争で使用した劣化ウラン弾から放射線被曝した兵士や民間人の話、脳死状態から健康な状態へ快復する患者の話など、普通の新聞からしか情報を得ていない凡庸なわたしの頭にはかなり衝撃的です。中でも、「人類を蝕む環境ホルモンの恐怖」は、ダイオキシンを始めとする環境ホルモンが、このところ社会問題になっている“キレる若者”の一つの原因と考えられるというもので、読みながら背筋が凍り付くようでした。
         このページの訪問者が60万人に達しているというのも納得できます。わたしも今日からリピーターになりそうです。

        版社のページに的を絞って膨大な数のホームページのなかからいくつか覗いただけなのですが、とても豊かな世界が広がりました。本を紹介するページ、読むだけでも楽しめるページ、豊富なリンクを持つページ。出版社のホームページは宝さがしの地図のようです。最初に挙げたひつじ書房の「書評ホームページ」でも“読書人向けのオンライン書評誌&ナビゲーター”と副題がつけられていて、まさにナビゲートされるという感じです。手探りでクリック、クリックして自分の好みにあった本にたどりつく。今年の春は眠りの誘惑にも勝てそうなほどおもしろそうな本が見つかりそうです。