真柄裕美

先月紹介した「天文民俗学のページ」の制作日記の中に“メイルの海におぼれる”という表現があった。一体この人達って何者? と思っていたが、この頃は、わたしのまわりでもインターネットを接続する人が増え、メイルの量が増えてきた。メイルが届くとマックに向かって、“うそ、ほんと〜”、“何いってんの〜”、“やった〜”と叫んでいる自分を発見する。一体わたしって何者?

◆◆今月の真柄さん〜アイルランドからケルトの風が吹く◆◆

7月11日土曜日、上野でケルト美術展を見た。ケルト展は、4/18日から7/12日の予定で開かれていたが、わざわざこんな最終日の前日を選んだのは、ちょうどこの日から上野の博物館で大恐竜展が始まるからだった。家族で上野まで出かけ、父親と子供が恐竜展、母親がケルト展というのは、もうこれ以上は考えられないくらい理想的な土曜日の過ごし方ではないかとその時は思えた。ところが、明日でもう終わりということで、狭い館内は大勢の人でごった返し、まるで満員電車のようだった。何とか人にぶつからずに人だかりの隙間からケルトの作品を覗き見ようと、かのMr.ビーン顔負けのマヌケなポーズをとりながら、ほうほうの体で出口までたどり着くと、入り口付近には軽く五百人はいただろうか、入場券を持った人々が長蛇の列をなし、なんと第一陣、第二陣と分かれて入場の時を待っていた。いくらケルトがブームだからって、どうしてこんなに殺到するわけ? 通勤ラッシュと人口過密を避けるべくインターネットを駆使したSOHOという仕事の形態が広がりつつある今、何が悲しくて美術館で人混みを味合うの? と自分もその中の一員であったことなどすっかり忘れてぶつぶつ・・・。

の盛況ぶりを見るまでもなく、このところ、ケルト、そしてケルト文化が今も受け継がれているアイルランドの日本での人気はますます高まっている。インターネット上でも関連のHPは充実してきている。

ず、音楽の方から見ていくと、ケルト音楽をアイルランド以外の国も含めて、広く詳しく紹介しているのが、<Celtic Music Online & Coral Caves' official homepage>。このサイトを参考にすれば、自分にしっくりくる音楽、グループを見付けられそう。それが可能に思えるほど、丁寧にわかりやすく解説されているサイトだ。

 <トピックス(ENYA情報)>には、その清澄な音楽で世界中の人々を魅了するアイルランドの歌姫エンヤのインタビューが紹介されている。この中で、エンヤは何故彼女の音楽が多くの人に受け入れられるのかを自ら語っている。彼女は自分の音楽を、聴く側にとって“自分の内面の静かな部分に到達”できる音楽、“自分自身の心を表すことができる”音楽と分析する。確かに、エンヤの音楽を聴くと、単に耳に心地よいというだけではなく、身体の奥の方までしみわたるような、時間が止まるような不思議な感覚にとらわれる。これが、エンヤが言うところの“自分の内面の静かな部分に到達”している状態なのかもしれない。聴く者に自分を表現するよう仕向けていく音楽。エンヤのこの音楽の源泉がアイルランドにあることは、“アイルランドの風景こそが私に音楽のひらめきを与えてくれる”と語っていることからわかる。

ンヤを生み出したアイルランドの音楽、この音楽に沖縄の八重山古謡が似ているという新聞記事を見つけた(<アイルランドは「沖縄に似た国」――民謡歌手の上原さん、一時帰国――>)。那覇市出身の民謡歌手、上原さんは、アイルランド民謡を聞き、八重山古謡に似たメロディーにひかれ、同国にわたって足掛け四年という。上原さんの感じたところでは、アイルランドと沖縄は、音楽だけではなく、人々の心が温かいところも似ているらしい。

イルランドの歴史と文化を大まかに捉えるために、<アイルランドってどんなとこ?>を参考にした。神話と妖精のページもあり、項目ごとに充実している。
 <ATLANTIC ISLAND>でも歴史と文化が詳しく紹介されている。このサイトの<Folklore>のコーナーには“魔女になるには”という冗談とも本気ともつかないページもある。
 アイルランドを訪れてみるなら、<アイルランドへ行こう>がお薦め。旅行、留学の様々な滞在方法が紹介されている。この中には、アイルランド人家庭にホームステイという選択肢もある。<アイルランドのB&B>には、ホームステイの申し込み方法とホームステイ先が載っている。他にも、料金は高めだが、お城に宿泊して中世にタイムスリップしてみるという方法も紹介されている。

すぐアイルランド行きがかなわない場合は、アイルランドを舞台にした映画を見て、少しでも訪れた気分になりたい。<アイルランド映画>では、映画の題名をクリックすれば、それぞれストーリー、監督、脚本家、原作者、俳優などが、詳しくわかる。アイルランドのロケ地の名前が紹介されているところも、気が利いている。

でアイルランドを味わうなら、<生ギネスが飲める店>を参考にして、アイリッシュ・パブへ足を運ぶのもいい。アイルランドの酩酊とはどんなものか、全国規模で楽しめる。

本でのアイルランド人気を物語るかのように、<Irish Net Nippon><アイルランド文化研究会><アイルランド友の会>、ケルト美術研究の第一人者である鶴岡真弓氏を顧問とする<ケルト会in九州>、などなどサークル活動が各地でさかんなようだ。

たしが驚いたのは、<「アンジェラの灰(Angela's Ashes)」友の会>。「アンジェラの灰(Angela's Ashes)」は、もうすぐ日本でも翻訳本が出版される予定の一冊のノン・フィクションなのだが、この本に感動した人々が物語を解説し、分析し、感想を述べあっている。一冊の本への愛情、情熱、それを人と分かち合い、さらに高めていこうというエネルギーが伝わってくる。
 リアルタイムでアイルランドを知るには、<The Irish Times>だろう。プロテスタント系住民とカトリック系住民との対立で目が離せなくなってきた北アイルランド問題を追っていくには欠かせない記事だ。「The Irish Times」は、もちろん、時事問題以外に文化欄も充実している。今世紀の偉大な小説家、ジェームス・ジョイスの特集も組まれている。
 ジョイスを抜きにして、アイルランドは語れない。他にもアイルランド出身の偉大な文学者、ラフカディオ・ハーン、ワイルド、スウィフト、イエーツ、「ゴドーを待ちながら」のベケット(日本では演劇関係者の中にも、ベケットをフランス人と信じている人がまれにいるらしい)、「ピグマリオン」のバーナード・ショウなどなど、アイルランド文学関連のサイトは次回に紹介したい。

今回アクセスしたページ


Celtic Music Online & Coral Caves' official homepage
(http://www.asahi-net.or.jp/~pt9t-fjt/)
Fairy Tales
(http://www.osk.3web.ne.jp/~shimah/fairy/fairy_tales.html)
琉球新報
(http://www.ryukyushimpo.co.jp/index.html)
Eire Square
(http://www.globe.co.jp/)
ATLANTIC ISLAND
(http://www.atlanticisland.ie/atlanticisland/index.html)
生ギネスが飲める店
(http://www.asahi-net.or.jp/~vp2k-iskw/)
Irish Net Nippon
(http://www.sm.rim.or.jp/~jogama/inn/index.shtm)
IRISH-ON-FILM INDEX
(http://www.win.or.jp/~manzaki/index.html)
寺尾淳のホームページ
(http://www.asahi-net.or.jp/~gd9j-tro/index.htm)
ケルト会in九州
(http://www.asahi-net.or.jp/~YR1A-OKN/index.htm)
The Irish Times
(http://www.irish-times.com/)


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