真柄裕美

 お盆に母親の実家に墓参りに出かけた。そこは、特に過疎地ではないのだが、未だに土葬が行われている。盛り土の上に小さな墓石を並べただけの墓地のまわりには、青々とした稲田が広がっていた。農業を営む従兄弟に減反のことを尋ねたら、「ここらまわしは、みんな内緒で作っとるさー」と明るく答えてくれた。

◆◆今月の真柄さん〜アイルランド文学探訪◆◆

月のアイルランドに続き、今月はアイルランド文学のサイト巡りをしているが、作り手の情熱が伝わる凝ったサイトに数多く出会った。

ず、去年ベケットの“しあわせな日々”という芝居を観て、とてもおもしろかったので、ベケットから捜した。<The Samuel Beckett Homepage>は、不条理劇のベケットに似つかわしい色とデザインが作り手のセンスを感じさせる。このページから、バロウズ、ピンチョンといった人気作家のサイトにも行ける。
 <アングロ・アイリッシュ文学4>によると、ベケットは、パリでジョイスの“フィネガンズウエイク”の仏語翻訳を手伝ったらしい。

ョイスの場合、ジョイスと彼の作品にまつわる人物や出来事が事細かに集められている<JAMES JOYCE TRIVIA>(日本語)、それから、ダブリンでのジョイスに関する講演会やイベントの情報を掲載した<THE JAMES JOYCE CENTRE>、オハイオ大学で作られ、リンク集が豊富な<Intenational JamesJoyce Foundation>など、充実したHPが目白押しだ。

イルランドの作家のリンク集としては、<British & Irish Authors>がおすすめ。ここには実に膨大な数の作家のサイトが集められている。これが日本で作られているというから驚く。

本でのアイルランド文学研究は盛んだが、日本文学とアイルランド文学の関わりと言えば、まずラフカディオ・ハーンの名前が浮かぶ。30代後半に日本へたどり着いて、帰化し、小泉八雲の名前で数多くの美しい怪談を残したハーン。彼の日本での足跡は、よく知られている。松江で英語教師を勤め、日本女性と結婚し、日本の文化に惹かれ、怪談を書き、東大や早稲田でも教鞭をとって、日本の文学者にも少なからず影響を与えた。しかし、日本に来る前のハーンが、どこでどうしていたのかは、あまり知られていないようだ。
 <Lafcadio Hearn Bibliography>からは、母の国ギリシアで生まれ、両親の離婚後、父の国アイルランドで大叔母に育てられ、左目の失明、叔母の破産、アメリカへの脱出と波乱に富んだハーンの人生が伝わってくる。このサイトの掲示板には、生い立ちから、ハーンに関する現在進行形の出来事が書き込まれている。記念館、庭園、ハーンにゆかりのある家を残そうという運動などなど。来日から百年以上過ぎても、実に多くの人がハーンにまつわる仕事に関わり、その情報を伝える一つの手段としてHP作りに携わっている。

方、現代の作家を育てていこうというHPが、Irish WebsiteのTop 10に選ばれた<The Dublin Writer's Workshop.>だ。このワークショップでは定期的に会を開き、短編小説や俳句のコンテストを催して、作家を育てている。ウェブ上で作家を育てるHPというのは、日本では、あまり見かけないが、近々、ウェブ上の文芸誌が日本でもポピュラーになっていくかもしれない。どのように人を集め、育てていくのか、じっくり読んだ。それにしても、そこで俳句が用いられているのは、興味深い。アイルランドの若い詩人や作家が、俳句をひねる姿を想像してみる。いくつか読んでみたが、豊かなイメージが広がる俳句が多かった。
 <Irish Writers Centre>でも、作家のためのコンテストが開かれている。また、このHPはノーベル賞作家のシェーマス・ヒーニーを始めとして現在活躍中の作家に関する記事が充実している。まだ日本では紹介されていない作家や作品を知るのに役立ちそうだ。他にも、ライティング・スクールが開かれ、小説や詩の書き方を教えてくれるらしい。わたしも将来時間ができたら、ここで授業を受けて英語で小説など書いてみたいものだ。今のうちに英語の勉強をしておこうっと。

今回アクセスしたページ


The Samuel Beckett Homepage
(http://www-personal.umich.edu/~kadaca/bnormal.html)
アイルランドってどんなとこ?
(http://www.globe.co.jp/cover/ireland-information.html)
JAMES JOYCE TRIVIA
(http://www.geocities.co.jp/Milano/3882/)
THE JAMES JOYCE CENTRE
(http://www.jamesjoyce.ie/)
The International James Joyce Foundation
(http://www.cohums.ohio-state.edu/english/organizations/ijjf/)
Mitsuharu Matsuoka's Home Page
(http://lang.nagoya-u.ac.jp/~matsuoka/index.html)
Trussel's EclectiCity
(http://www2.gol.com/users/steve/)
Dublin Writers' Workshop.
(http://www.dublinwriters.org/welcome.html)
Irish Writers Centre
(http://ireland.iol.ie/~iwc/)


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