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 今月の宮内さん

沖縄に見る多様な文化


        11月1日は泡盛の日らしい。

        んなことを勝手に決めてしまったのは「沖縄県酒造組合連合会」だ(<泡盛館>より)。泡盛の美味しい季節となる11月1日を、「いい月いい日」ということで「泡盛の日」と決めたらしい。ならどうして11月11日じゃないのかよくわからないし、個人的には泡盛は11月を待たなくてもおいしいと思うのだが(夏は氷を入れて飲めば格別だし、冬はお湯割がいい)、とにかく「沖縄県酒造組合連合会」はそう決めてしまったのである。

        んな泡盛、原料はあのタイ米である。米不足騒ぎのときに評判が悪かったタイ米だが、泡盛の原料はこれでなくてはならない。「1420年からはじまったシャム(現在のタイ国)との貿易で泡盛の製法が沖縄へ伝えられたといわれますが、その伝統をまもり、米の輸入が制限されている現在でもタイ国からインド種の米を輸入し、泡盛をつくり続けています」と書いているのは、<うみんちゅぬ浜>にある「菅間博士の泡盛Q&A」のページだ。沖縄が、日本の南の端なのではなく、東アジア、東南アジアを結ぶ重要な交易の拠点だったということが、今も泡盛に生きているのである。
         それにしてもこの「うみんちゅぬ浜」のページはとても充実している。宮古島で問題になっているダイビング迷惑料問題(漁協がダイビング業者に迷惑料を科そうとしたところ、業者側が反発し、裁判になっている)では、詳しい資料を提示、問題の複雑さをきちんと伝えている。沖縄の潮時表や、全国にある沖縄関係の店一覧もある。 このページの沖縄関係の店一覧によると、残念ながら、私の住む北海道に沖縄関係の店はないようだ。たしかに日本の端と端だ。ないのは当たり前かも
        しれない。しかし意外と北海道と沖縄の関係は深い。泡盛の原料が南のタイからなら、沖縄料理に欠かせない昆布(沖縄ではクーブと言うらしい)は、北海道産である。かつて北前船で運ばれた昆布が、沖縄までたどり着き、そこで定着したのである。昆布については、日高と並ぶ生産の中心である釧路、根室の昆布について、<谷藤商店 道東昆布 百花繚乱>が、ロシアの警備艇を間近に見ながらの(!)昆布漁など、生産地ならではの情報を満載している。

        縄関連のページは、何と言っても<Index@沖縄>が完璧なまでに充実している。このページを入り口に、いざ沖縄世界へ入ってみよう。<沖縄の本棚>のページでは、沖縄発の新刊本について、質の高い紹介を読むことができる。<ラジオ沖縄のページ>では、地元で実際にラジオ放送している「方言ニュース」をReal Audioでやっている。私は那覇でこれを聞いたときさっぱりわからなかったが、今回Real Audioで聞いてみて、やはりわからなかった。わからないから、わかってみたいとも思う。もっとも沖縄でも本当以外の人はこの方言ニュースはわからないだろう。言葉が違うのだ。
         宮古島や石垣島の人たちは、沖縄本島へ行くことを「沖縄へ行く」と言う。沖縄もまたひとつではない。かつて奄美に住んだ島尾敏雄は、日本を、国家としてではなく、多様な文化がつながりあう列島=“ヤポネシア”として見るという、魅力的な考え方を提唱した。沖縄の巨人、照屋林助(というよりりんけんバンドの照屋林賢氏のお父さんといったほうが通じるかもしれない)が言う「チャンプラリズム」(ごちゃまぜ主義、とでも訳そうか)ともそれは底で通じ合っている(<何でも研究所>)。

        来、違う文化がつながるというのは難しいことだ。“一つの国民、一つの文化”という擬制でやっていた方が楽だ。しかし、多様な文化が、多様なままでつながり合うという、いくらかしんどいが実はとてもおもしろい道を私は選びたい。沖縄の元気あふれるホームページを見ているとそれが可能なような気がしてくる。