宮内泰介

 WindowsCE 2.0の乗ったモバイルギアII(モノクロ)を使いまくっている。8月に行ったインドネシアでも、行く先々で、原稿書きに、旅費の計算に活躍してくれた。WindowsCEは、マウスがわりにペンで画面をつつくのだが、面倒くさいときは、指でやっている。おかげでデスクトップ・パソコンを使って入るときも、無意識にディスプレイの画面を指でちょんちょんやってしまう。

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◆◆今月の宮内さん〜里山(さとやま)考◆◆

山にかかわる人びとが増えている。里山とは、村の集落近くの山や森のことで、もともとその集落の人びとが薪を集めたりなどの形でかかわっていた山や森だ。しかし農村の生活が変わり、里山は放置され、あるいは開発されるようになった。そうした里山を、“再生”させようという人びとが増えている。

島県東広島市の人びとの場合、きっかけは、行政が行った農業農村活性化推進塾の市民農園部会というものに参加した人々が、講師の先生が提案した「農地・里山利用型市民農園」、つまり山と農地をセットして多様な活動ができる場にしようという提案に魅力を感じたことだった。参加者たちは、「農地・里山利用型市民農園」の候補地としていい里山はないかと“里山探検”を始めてしまい、ついにはいい里山を見つけて、そこで所有者の協力のもと、“里山作り”を始めてしまう。竹薮を整備し、じゃがいも畑を作り、下草刈りをし、さらには里山の地図を作り、とさまざまな活動を行っている姿が、実に楽しそうだ。この様子を伝えるHiRACクラブの<里山探検>のページは言う。「東広島市では急速な開発が進み、アカマツ林と広々とした水田、赤瓦の農家群の特徴ある地域景観は大きく損なわれてきています」。「里山は人間の管理によって保たれる『自然環境』」であり、「農業に代表される里山管理システムが消滅した現在、新しい里山管理の理念が求められている」。
 「里山は人間の管理によって保たれる自然環境だ」という言い方に首をかしげる人もいるかもしれない。別に人間が管理しなくても、放っておけば、自然は自然として保たれるからむしろその方がいいのではないか、と。しかし、里山に存在する多種多様な生物は、人間の手が加わることによって保全される場合が多いのだ。

 <雑記蝶>は、そのことを蝶を例に説明している。「人の手がほとんど入らない深山や高山には確かに珍しい種類がいますが、これらの蝶は、数も種類も少なく、日本の蝶の構成員としては少数派です。一方『迷蝶』・『偶産蝶』と呼ばれる、外国から台風や偏西風などに乗って日本にきた蝶やその子孫などもいますが、これも例外的な構成員です。これらを除く大多数が、里山の植物などを餌としてここに住んでいるのです」。「雑記蝶」によると、里山の蝶も、(1)里山の林の木や下草に住むもの、(2)田んぼや畑のあぜ道、河原などに住むもの、(3)田畑の作物や植木につくもの(元は、その作物に近縁の野生植物を食べていた)、の3つに分かれるという。そうした里山の多様な蝶を、このページは美しい写真で見せてくれる(本当に写真が美しい!)。

葉県市原市の<市原トンボ池を作る会>のページも、人が自然に積極的にかかわる意味を考えさせてくれる。この会は、30年の間休耕田のまま放置され、雑草が茂って荒れ放題だった土地を、1997年から、草刈り、池の掘削、池の土手の補強などの整備を行い、“トンボ池”として再生させた。再生した“トンボ池”(このネーミング、いいですねえ)では、現在トンボが30種、野鳥が50種、その他多数の昆虫や水生動物が観察されている。このページでは、トンボ池の自然をずっとウォッチングしている結果を、写真入りで紹介している。「ああこんな野鳥が最近見られたのか」。なんだか、トンボ池のすぐ近くの住民になったような気になってしまう。「現在は小さなトンボ池そして小さなサークルですが、里山の自然保全の活動がここから広がり、市内のあちこちにトンボ池ができて自然を愛する人が増えればと思っています」。

山を再生させようという動きがある一方、それを壊そうという動きもある。大阪ガスは福井県敦賀市の貴重な湿地にLNG基地を建設しようとしているし(詳しくは<ゲンゴロウの里基金委員会>のページ)、2005年に予定されている愛知万博も貴重な里山“海上の森”を破壊しようとしている(詳しくは<瀬戸市の住人のページ>)。
 東京都あきる野市では、「横沢入」という“谷津田”(谷地にある水気の多い湿田)に宅地開発の波が押し寄せている(<東京最後の里山横沢入>のページ)。ここの丘陵部の斜面にはイヌシデ・コナラ・クヌギなどの二次林が広がっていて、多種多様な生物が存在している。この里山を守ろうと結成された「ムササビの会」では、草刈りボランティアなどで横沢入の保全活動を行う一方、この地の自然を守るために行政や議会へ向けての働きかけを行っている。

ころで、『広辞苑』(第4版)には「里山」という項目はない(この11月に出る『広辞苑』第5版ではどうだろうか)。身近な自然の大切さが再認識される中で、新しく「里山」という概念が生まれ、定着したのだろう。そういうわけだから、実は「里山とは何か」に対する明確な定義はない。集落の近くの山や森だけでなく、田んぼやため池なども含めたもう少し広い意味にも使われる。だとすれば、私たちの身の回りの自然が里山だ、と言ってしまってもいいはずだ。小さな自然ならどこにでもある。しかしそれさえも、ちゃんと見守る人がいなければ、壊れてしまうものなのだ。

今回アクセスしたページ


東広島てくてくマップ
(http://www2.potato.ne.jp/~hirac/index.htm)
雑記蝶
(http://home.intercity.or.jp/users/SAKA/)
市原の里山
(http://www02.u-page.so-net.ne.jp/cb3/okayshr/tonboike/index.html)
中池見湿地「湿原の風」(ゲンゴロウの里基金委員会)
(http://iwakuma.fpu.ac.jp/nakaikemi/nakaikemi.html)
瀬戸市の住人のページ
(http://www.synnet.or.jp/UESUGI/)
東京最後の里山横沢入
(http://www02.so-net.ne.jp/%7Eyokosawa/)


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