宮内泰介

 夢を見た。家の外に出てみると、まだ冬のはずなのに暖かい。からだに突き刺さるいつもの冷たさがない。喜んでスキップしながら歩いた。それだけの夢だ。北海道の春はまだまだ先だ。

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◆◆今月の宮内さん〜色色なページ…色覚異常をめぐって◆◆

 “色覚異常”である。色とりどりの色で文字が形作られているあの色覚検査表の一部が読めない(あるいは健常者が読めないはずの文字が読めてしまう)。
 それほど強度の色覚異常でないということもあって、日常生活に支障をきたしたことはほとんどない。私が大学を受けるころは、理系の学部でまだ色覚異常者を門前払いするところがまだ多かったが、文系に進んだので、そんなことがあったことすら忘れていた。
 しかし色覚異常者に対する差別や無理解がなくなったわけではなく、色覚異常者の多くは孤立している。男性の5%もが色覚異常だというのに。
 こういうとき、コンピュータを介したネットワーク、つまりはインターネットは、強みを発揮する。色覚異常に関する正しい情報を流し合う、また、助けあう、励ましあう、といった、この手の問題でもっとも大事な機能を、インターネットを介して実現することができる。

 <ぱすてる>はまさにそんなページだ。『ぱすてる』という名の通信紙を出してきたボランティア・グループ「色覚問題研究グループ」が、そのインターネット版を作ったのがこのページで、この問題ではもっとも充実しているページである。色覚異常についての一般的な知識とともに、検査・相談機関の一覧も調査にもとづいて載せてある。そうした機関に行く前の心構えも載っていて、配慮あるページになっている。
 掲示板もある。「色盲を治します」と謳う「色盲治療」が、結局のところ、色盲そのものの治療ではなく、検査表がいくらか読めるようになるだけだということも議論されており、同グループが主催するメーリング・リストとともに、貴重な情報交換の場になっている。

にも、個人が作った色覚異常関係のページがいつくかある。
 <からー・ふぃくしょん>は、色覚異常の息子さんを持つ親御さんが作ったページであるが、非常に充実している。「超ビギナー向け色覚豆知識」では、図解入りで「色覚」とは何か、「色覚異常」とは何かが解説されていて、非常にわかりやすい。このページへよせられた書き込みには、法務省の法務教官の試験に色覚検査があったことを報告しているものがある(報告した人は、受験するまで知らなかった)。なんで、法務教官(少年鑑別所や少年院の教官のこと)になるのに色覚検査があるんだ!?
 また、自身が色覚異常者である「なおパパさん」が、小学校の教科書を調べ、その色使いについて色覚異常者に対する配慮があるかどうか検討しているページも、この中にある。なおパパさんは偉い。多くの教科書を調べ、配慮が足りないと思われる箇所を見つけ出し、そのレポートを教科書会社各社に送った。
 その教科書会社からの回答も載せられている。それによると、さすがに教科書会社は、昔に比べると配慮をするようになっているらしいが、まだ不十分な点もあるようだ。
 JUSTさんの<色覚異常と云う物>も同様のページである。「自分のページを作る上で、『日記は書かない』『自分の個人的な意見は極力載せない』と言っていた私が」、色覚異常に関するテレビ・ドキュメンタリーを見て、「方針を転換してこのようなページを作る」ようになった。色覚異常者の感じた不便を載せたページでは、「ボールの色を合わせるようなゲームは敬遠してしまいます」、「夏みかんを知人の家に取りに行ったとき(中略)他の人たちは葉の陰から少しでものぞいているオレンジ色の実を『ほら、あそこに』とすぐ見つけるらしいのですが、私にはなかなか見つかりませんでした」、「私が色弱で困ったことは、地下鉄の路線図です。東京の複雑な地下鉄の路線図を辿っているといつの間にか違う路線になっていることがありました」、「虹の色が3〜4色ぐらいにしか見えず、7色というのが理解できませんでした。そのことを正常な人に言うと『じゃあ綺麗に見えないの?』と言われて困ったことがありました。人はどうしても自分を基準にしか考えられないのでしょうね」、といった色覚異常者の体験が載っている。もちろん色覚異常と一口に言っても、その見え方は様々なである。私自身、上記のような体験はほとんどないので、へえと思ったものである。つまり自身が色覚異常だと言っても、他の色覚異常者に対する理解は何もなかったのである。上のようなことがある人がいるんだということを心にとどめておくだけでも、ずいぶん世の中の風通しはよくなるだろうと思う。
 色覚異常者が苦労するのは、色の組み合せである。<COLOR HANDICAP>では、具体例として、東京の地下鉄路線図が挙げられている。

界中のWebページには、目立とうとするあまり、さまざまな色の組み合せがなされている。しかし、色覚異常者にどう見えるかに配慮したページはほとんどない(私自身も配慮したことはなかった)。色覚異常者に配慮したWebページとはどういうものか。一つの提案が、「からー・ふぃくしょん」のページの中にある。これはイギリスのアンドリュー・オークレーさんの提案を翻訳したものだが、「[ 赤,緑,茶色,灰色,紫 ] を [ 赤,緑,茶色,灰色,紫] の 隣におかない,重ねない,変化させない」、「バーチャートや,マップ,ナビゲーションバーにおいて,特別な場所には,色を使うのではなく,texture(模様)か,ラインシェーディング(ぼかし、陰影)を使う.二者択一にはラベルを取り付ける」など、なるほどと思わせるものである。

 紹介したページのどれもが強調していたことが2つある。一つは、色覚異常者が不当な不利益を被らない色彩感覚のノーマライゼイションを、ということであり、もう一つは、色々な色の見え方があってもいいじゃないか、ということだ。

今回アクセスしたページ


ぱすてる
(http://www.nbj.co.jp/pastel/)
からー・ふぃくしょん
(http://village.infoweb.ne.jp/~zenzai/index.htm)
色覚異常と云う物
(http://www1.akira.ne.jp/~jun/color/)
COLOR HANDICAP
(http://www.sakuranet.or.jp/~tks/color/text/index.htm)


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