WebMag logo

 今月の大榎さん

マイナーミュージックシーンから


        ●今月は、極私的趣味の世界へご案内

        読の月刊「シティロード」はなくなり、週刊「ぴあ」の情報サイクルにはついて行けず、「TokyoWalker」とは何のこと?いや、いきなり東京ローカルな話題で申し訳ない。私の情報回路はバラバラになり、忙しさにかまけて映画も芝居もライブにも、めっきり足が向かなくなっていたのだ。
         ところが、ひょんなことで最近見つけた<A-Musik HomePage>の月別ライブリストは、こちらのセンスにぴったりのスケジュールが満載で、お宝発見の気分。ここ数年、自分の趣味に合ったライブ情報を獲得できずにいたのだが、なんと、世界的!インターネット上で、こんなローカル情報に出会えるとは思いもよらなかった。
         今回は、全く自分勝手な趣味世界に、無理矢理引きずり込もうという魂胆。
         A-Musikといえば、日本人離れした髭のオジサン(竹田賢一)が、大正琴をかき鳴らしながら世界の労働歌や革命歌をうたって聞かせる魅力的なバンド。このライブリストに並んでいるのも、梅津和時、千野秀一、チーフタンズ、大友良英、大熊亘、巻上公一、灰野敬二、…などなど、中には映画音楽やメジャーレーベルで活躍の人たちもいるけど、イトーターリや武井よしみち、霜田誠二といったパフォーマンスアートのアーティストまで、まさに「マイナー」と呼ぶにふさわしい面々だ(決して「ウレナイ」という意味ではないので念のため)。
         もちろん、そのリストに掲載されているライブスペースもなかなかシブイ。飯田橋法政大学学館、明大前キッドアイラックホール、吉祥寺MANDA-LA2…。そして、中野富士見町Plan-Bには、なんと中川一郎さんによるページが存在した。
         <Plan-B>は、10年以上前、私の学生時代にも、既にパフォーマンスアートや舞踏の場として活動していたスペースだ。さっそくアンカーをクリックしてPlan-Bのページに移動。そして、スケジュール表を見ると、この10年の歳月を越えて何事もなかったかのように、しっかりと並んでいた「田中泯独舞」「相倉久人パフォーマンス・ジョッキー 『重力の復権』」…の文字。

        ●コンサートのチラシからインターネットへ

        ころで先月は、久しぶりに日比谷野外音楽堂に出かけたが、これもA-Musikのライブリストに掲載されていた、「沖縄-韓国-日本民衆をつなぐ6・15フェスティバル」と題するコンサート。出演は、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット/朴保/寿/沖縄エイサー/八丈太鼓/ 東京サムルノリ/大山真理と仲間達。
         <ソウル・フラワー・モノノケ・サミット>は、大正昭和の流行歌や労働歌を、アコースティックできかせるバンドだ。コンサートでは、追っかけ風の連中がステージ前でノリまくっていたが、「インターナショナル」が始まると、目の前にいたオジサンオバサン連中までもが立ち上がる。老いも若きも、とはこのこと?
         さすがにメジャーレーベルで活動しているため、彼らのホームページは多数充実している。A-Musikのページからもリンクがあったので覗いてみると、ちょっと疎かった関西情報が浮かび上がってきた。関西の特異なライブ・スペースとして、フリーな空間を築いてきた<京大西部講堂>が、なんと、存亡の危機にあることも。<東大駒場寮>のニュースは頻繁に聞こえていたが、うっかりしている間に、そこここの面白空間は、大変なことになっているようだ。
         さて、会場で配られていた他のバンドのチラシにも、しっかりURLがプリントされているのを発見。さっそく部屋へ戻ってアクセスすることにした。
         「寿」のページには、ライブ風景を収録したRealVideoのファイルがあった。RealPlayerをインストールすれば、Web上でムービーを見ることができる。沖縄音楽や三線(さんしん)に関するページへのリンクが注目だ。また、<朴保>(PakPoe)のページには、ライブ情報とともに在日韓国・朝鮮人の戦後補償を求める会や、原発問題に関するページへのリンクが張られていた。いずれにしても、単なるコマーシャルなインフォメーションにとどまらない、ポリシーを持ったページ作りには好感が持てる。
         ここしばらくは、チラシの隅に注目だ!