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 今月の大榎さん

インターネットでミニFMだっ!


        ●伝説のミニFMブーム

        ニFMって、コミュニティFMのこと?、などと思ってしまうのは大間違い。コミュニティFMが、郵政省から認可を受けた放送局なのに対し、ミニFMは、電波法の微弱電波規定を利用した、フリーな放送局のことなのだ。80年代の前半に起こったミニFMブームの頃には、原宿で人気のあったミニFMを聞くために、わざわざ地方から車でやってきて、局の近所でカーラジオに聞き入るというのが、はやりの風俗として週刊誌で紹介されたりもした。
         実は、かく言うこの私も、世田谷にあった「下北沢ラジオホームラン」なる放送局に参加していた経緯がある。この放送局、いくつかの中断をはさみながらも90年代まで生きながらえていたのだが、今はまた休止中。その様子は、「これが自由ラジオだ」(晶文社)という編著を持つ粉川哲夫さんのページ<Polymorphous Space>で、ムービーファイルによってかいま見ることができる。ここには、送信機の回路図から批評まで、ミニFM(自由ラジオ)に関する多くの情報が詰まっている。

        ●ミニFMスタイル

        々なりのミニFMスタイルは、とにかく、日常の話し方でしゃべりまくること。放送といっても、話しに特別な訓練など必要ない、予定していた時間が延びてもお構いなし、これがラジオホームラン風。そもそも非常に狭い放送エリアに加えてこんな風だから、ますます聴取者は遠のいたに違いない。
         ところが、放送局にしていた10畳ほどの賃貸マンションには、連日、近所の飲んだくれから世界情勢にもの言いたいサラリーマンまで、多くの人が訪れた。もちろん、放送エリア内の住人たちへの知名度も低かったはずだが、「もう深夜だし、誰も聞いてないだろうから放送止めようか」なんて話をしていると、いきなり無言電話がかかってきたり。マスメディアと違い、特定のリスナーに向かう小さなコミュニケーションだって、需要があるのだ。

        ●RealAudioでインターネット放送局

        のミニFMを、インターネットで展開できるかも知れないと思わせたのが、 <プログレッシブ・ネットワークス社>のRealAudioだ。このシステムを使えば、長時間のオーディオファイルも、ネットを介して待ち時間なく再生でき、ライブ放送も可能となる。この会社、その普及のためにか、最近になってクライアント側のプレーヤーどころか一部のサーバーソフトまでもフリーで配布し始めた。
         これを聞いて、またぞろ「ラジオの虫」がうずき始めている私なのだが、すでに、インターネット上では、ミニFMの残党(と言ってしまっては失礼か)や、新たに「ミニFMノリ」を発揮しているニューウェーブたちが活躍し始めているようだ。 さっそくリサーチにのり出した。

        ●インターネット放送ブーム?

        ジオセンター>は、一般の放送からミニFMまで、さまざまな放送局Webへのリンク集。まだまだミニFMも健在なのだと再認識。そんな中で目立っていたのは、熊本の<fm-monday club>だ。現在も熊本市内で電波を出しながら、インターネット上での放送にも力を入れている。その主張もはっきりしたものがあって、頼もしいかぎり。一方、<Radio13>は、それぞれ2〜30分ほどのファイルに納められたおしゃべりが飽きさせない。何のことはない、男性二人の日常会話が続くのみだが、ついついテレホーダイ時間帯にかけっぱなしにしてしまった。また、当人たちは放送局という意識ではないかも知れないけれど、<インターネット劇団 かっぱハウス>は、プロの声優たちによるラジオドラマが展開される、ちょっと異色の存在。
         ラジオの周波数にチューニングを合わせるごとく、インターネットのリンクを巡って行くと、インターネット放送局が予想以上に活況を呈していることが分かってきた。
         私としては、ちょっと出遅れた感じで焦っているのだった。