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 今月の大榎さん

パソコンとの正しい関係


        ソコンを使うには、オタッキーな態度が要求される。ぼくなんか、最近はしょっちゅうパソコンのふたを開けるものだから、上にのっかっているモニタがうらめしいばかりか、コネクターの接続端子が本体の『裏側』についていることに、いきどおりさえ感じ始めている(横向きに置いている人をよく見かけるけど)。インターネットにつなげるのも、テレビのように電気屋さん任せというわけにはいかず(だったでしょ? )、積極的な関与が大切。だから、こんなものが一般的になるってことは、かなり面白い現象だといえる。

        ●Macでハマる

        くが、このところハマッてしまったのが、カメさんのように遅かったMacを、PowerPCマシンに変身させる『Turbo 601』というボード。多大な夢を持って購入したが、期待したほど速くもならず、その上、16bitフルカラーだった画面は256色モードに(そんなこと、マニュアルにも書いてなかったぞ! )。けっきょく、ビデオボードやメモリまでも増設するはめになった。
         とはいうものの、とにかくカメさんは延命。おまけに、最新のMacOS8は動かないという公式情報にも関わらず、製造元のDayStarのサイト<Welcome to DaystarDigital>からは、その『非公式』サイト<The Unofficial Turbo 601 Site>へのリンクがあり、ここで最新OSのインストール法を知ることができた。メーカーのこういうノリは大歓迎。ユーザーだって努力して使ってるんだから。
         Windowsマシンと違い、Macは一台ずつが異なるスタイルを持っている。これに手を加えることは難しいと思われるが、太田真人さん(<Gabezing Room>)の「Macintosh」を見ると、ここまでやるか、といった方法でメモリを増設したりクロックスピードをアップしたり。しまいには、高電圧という危険をもかえりみず、ゴーグルをかけてモニタの画面サイズまでも変更する。軽快な雰囲気で技術情報が並んでいるが、しっかり中身を読むと、ほとんど『執念』という言葉が浮かんできそうなのだった。Winユーザーも一見の価値アリだ。

        ●MSXって?

        もそも、ぼくが十数年前に初めて購入したパソコンは、MSXという規格の8bitパソコン。数年たってやっとBASICを覚えた頃に、フロッピードライブを購入すると(当時はカセットテープが記憶媒体だった!!)、DOSという代物がついてきたが、これまたナゾ。しばらくたってDOS上で動くソフトを入手し、こりゃ便利なものだとやっと理解した。が、その後、初めてMacでフォルダをつくったり、視覚的にファイルを移動した時には、ほとんど全知全能の神様気分を味わったという次第。
         しかし、テクノロジーアーティストとしてのぼくの作品には、いまだにMSXが欠かせない。32bitパソコンが主流の時代に何ともローテクな話だが、自分で手を加えて使うには面白い装置なのだ。そのMSX情報のリンク集<Baboo! JAPAN>からも、オランダや北欧を中心に世界各地へリンクがあり、健在ぶりを示している。
         もちろん、国内にも多くのユーザーグループがあり、まだまだ活発な活動を続けている。中でも、MSXに通信ポート機能を追加する<acrobat world>や、市販されていたゲームのカートリッジを改造し、RAMディスクやSCSIインターフェースを作り上げるワザを紹介した<ESE Artists' Factory Homepage(似非職人工房)>には、電子工作ゴコロがくすぐられる。ゆっくり時間がとれたらぜひ挑戦したい。

        ●PDAも手作りで

        ころで、MSXはすでに消え去ったマシンだが、いまだに8bitCPUを利用しているのがGameBoy。そのソフトウェアを独自に開発するというシステムもある。<GameBoy Tech Page>の情報によると、ROMカートリッジとのデータ転送装置の回路図、パソコン上でのプログラミングソフト、それに、できあがったソフトをパソコン上で動かすエミュレーターと、環境は整っている。
         <EMULATOR ZONE>や<Emulator X>からは、ファミコンをはじめとするテレビゲームや、先のMSXなど、いにしえのパソコンソフトを、MacやWindows上で作動させる、いわゆるエミュレーターの存在を知ることができるが、こちらはプログラミングまでの情報が整っている。一部では、GameBoyを手軽な情報端末(PDA)にするという動きもあるようだ。レコード盤(システム)が、DJのスクラッチ奏法によって楽器になったように、メーカーの目論見以上の利用法をユーザーが作り上げるのは、とっても愉快だ。
         ま、ここまでくると、誰もが関われるというわけではないが、ふつうのパソコンユーザーだって、はんだごてを持ってD.I.Y、きっと世の常識となるに違いない!?