[Web Travelers]
[写真] 橋本大也
 発表後に早速インストールしたWindows2000は私のマシン構成ではデバイスドライバがいまひとつな出来で、使えず、今はBeOSに凝っています。起動が高速でマルチメディアを扱う処理が軽いという2点が気に入っていて、テレビやビデオの編集はこれでやろうかなと思っている次第。これで私の自宅には8台のマシンに8種類のOSが動いています。なにがなんだかわからなくなってきましたが、頑張ります。


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インターネット・デジタル・ドキュメントの時代

 Webサイトを印刷するのなんて簡単です。ブラウザの印刷ボタンを押せばよいだけなわけですから。でも、読みやすく印刷するのは意外に難しいことだと思いませんか?。Webページは通常は印刷向けに作られていませんから、印字すると妙に余白が大きかったり、フォントが読みにくかったり、一ページの情報量が偏ったりしてしまいます。ニュースサイトの印刷も大変です。記事ごとにページが別れている場合、いちいちクリックしては印刷という作業を繰り返さなければなりませんよね。

 誌の編集者の仕事のひとつは読みやすく版を作ることにあります。レイアウトを整えて、段組にテキストを流し込み、フォントのサイズや色を変え、イラストを配置したり脚注を置いたり、実に長時間の手間がかけられているものです。雑誌は印刷物ですから、印刷用のレイアウトでしっかり調整されていますが、一般的なWebページは印刷用に調整されていないのです。だから読みにくい。

 こで、世の中にはWebページを綺麗に印刷する方法を考えている人たちがいます。 例えば国内ではボイジャー社のT-TIMEがこの分野では有名ですし、海外にも幾つか同じようなコンセプトのソフトウェアが誕生しています。

T-TIME

 T-TIMEはWebページのテキストを指定したレイアウトやフォントを使って綺麗にレイアウトしなおすことができます。書籍のように段組を入れたり、不必要な画像や色指定を取り除いたりして、紙の本のような表示に直すことができるのです。
以前、この連載でご紹介したデジタルテキスト文学全集の青空文庫のテキストなどをこのT-TIMEで読むことができます。

newZPrint

 newZPrintはニュースサイトのニュース記事などを指定すると、自動的にニュースサイトから記事を取り寄せて、その日のあなた向けの新聞を作ってくれます。印刷を前提としたレイアウトになっており、毎朝、取り寄せと印刷を自動化しておけば、朝食をとりながら、あるいは、通勤電車の中で印刷されたニュースを読むことができて大変便利です。

HP Instant Delivery

 のHP Instant DeliveryもまたnewZPrintと同様のコンセプトを持つソフトウェアです。プリンタメーカーのヒューレットパッカードのプリンタにはこのソフトが付属しているようです。こちらは対応WebページをWeb作者が作ることもできるようになっています。Instant Deliveryをインストールしているユーザは、Web上の購読ボタンを押すだけで、購読が可能になるのです。

 ンターネットとプリンタというのは一見奇妙な組み合わせのような気がします。 ネットワークやコンピュータを導入することで印刷物を減らすことができるというのが、普通の考え方だったからです。しかし、実際にはネットワークやコンピュータの普及によって印刷する機会って増えていませんか?

 に印刷して手にとって読みたい、持ち歩きたい、保存しておきたいという欲求は自然な欲求だと思うのです。紙ほど表示能力が柔軟な出力装置は現状ないわけです。折り曲げてどこにでも持ち運べるし、自由にペンで文字や図形が書けますし、価格が安い。コピー機で内容を複写することもできます。古代エジプトのパピルスの時代から脈々と使われてきた発明物だけのことはありますね。

 論、次世代のデジタルな紙を作ろうという研究も盛んです。最近では、「もうすぐ我が社は紙のように薄いディスプレイを発表するから注目しておれ」という発表を行った米国企業がありました。それがeInk社です。

E・Ink

 究段階では、ゼロックスのePaperも知られています。gyriconと呼ばれるテクノロジーによって、シート上の特殊な微細な粒子を電気的に操作することによって、文字や画像を表示します。実験の詳細な写真が下記のページにはありますのでご興味のある方はのぞいてみてください。

ePaper

 のように薄いというわけではありませんが、携帯型のディスプレイ装置はいろいろあります。例えば価格がまだ18万円と一般利用には手が届きませんがソニーのPDF-W77は紙のドキュメントを高速スキャンして持ち歩くことができます。

パーソナル電子ファイル PDF-W77

 VAIOの周辺機器として発売されたInfoCarryはPDAというコンセプトのようで小さいのですが、かなり現実的なお値段です。

InfoCarry

 国ではこれに近いものがもう安価に実現しています。NuvoMediaのRocket eBookやSoftbookpressのSoftBookなどがそれです。

Rocket eBook

SoftBook

 ットワーク経由でドキュメントを購入、配信してもらい、持ち歩けるというコンセプトです。ドキュメントを再生するウォークマンというイメージでしょうか。

 本でも小規模ながら1千数百人規模のデジタルブックの実験は行われているのです。電子書籍コンソーシアムによるブック オン デマンド システム総合実証実験というプロジェクトで、私が時々利用する、青山ブックセンターも協力店舗になっているので、知りました。実験参加者には電子書籍リーダーを配布しているそうです。

電子書籍コンソーシアム

 ういった特殊な携帯デバイスが実験販売される一方で、WindowsCEをOSにするような携帯端末が薄く小型になってきています。専用機よりもこういった汎用機の方に私は可能性を感じています。最近欲しいなこれ、と思っていて購入直前状態なのがシャープの Teliosです。

Telios

 晶画面がかなり大きなCE機です。8.4型TFT液晶(SVGA)を搭載し薄型(幅213×奥行192×高さ19.9〜24.2ミリ)で軽量(約810g)です。これくらいの表示能力があれば、携帯ブックリーダーの役割を果たせるかもしれません。他のパーム型のPDAは長文を読むのには小さすぎますからね。

 国Cross社とIBM社が開発したCrossPadというデバイスもなかなか興味深いです。
一見、紙のノートなのですが、ノートに書いた文字や図形はその下のセンサーがデジタルデータとして記憶してくれるので、後でPCへデータを渡せます。確かにミーティングなどで取った紙のメモのPCへの再入力は面倒ですから、便利です。

CrossPad

 ジタルドキュメントは読みやすいだけでなく、書きやすい必要もあります。ペン入力と言うのは私たちが人生で最初に覚える文字入力メソッドです。慣れています。ペンの使い方よりも先にキーボードの使い方を子供たちが覚える時代がくるのかもしれませんが、当面はこういった商品も必要でしょうね。

 て、企業内でのドキュメントというと、請求書や領収書、納品書や回覧、財務関連の報告書など、ハンコを押す対象だということも忘れてはいけない事実です。
印鑑で有名なシャチハタでは、電子ドキュメント上の電子決裁システムを販売しています。電子ドキュメントに判を押すバーチャル体験もできるWebページです。

シャチハタ 製品情報

 国では切手までもがデジタル化されてしまいました。次のE-stamp、PCStamp、PostagePlus、Stamps.com4社が提供しているサービスは、プリンタで切手が印刷できるというサービスです。この切手、もちろん使えてしまうのです。インターネット経由で印刷する枚数分の権利を購入することができます。

E-stamp

PC Stamp

PostagePlus

Stamps.com

 ジタル切手を認可してしまう米国のお役所というのもすごいなと思います。このままいくと将来はお札も家庭で印刷できるようになるかもしれません。今後あらゆる紙のドキュメントのデジタル化は進んでいくでしょう。

 230年もの歴史を持つブリタニカ・コム社編纂のエンサイクロペディア・ブリタニカ(大英百科事典)は昨年10月にオンライン版を発表しました。既に書籍版は発刊を終えており、CDROM版が同社のメインプロダクトになっていました。世界で最初の百科事典は紙であることを止めてしまったのです。デジタルドキュメントの本格的な到来を象徴する出来事であったかもしれません。

Britannica.com

 して、読みやすく、書きやすく、持ち運びやすいデジタルドキュメントを求めて、数多くのテクノロジーが今世界中で開発されています。またそのドキュメントを、上手に利用する周辺サービスやデバイスが研究されています。

 というのは、貴重な自然の資源を使ってしまう側面があります。また、劣化しますし、かさばります。デジタルドキュメントに比べるとパルプドキュメントは再利用性も低いものです。

 かし、私たちがパピルス発祥以来、何千年もの間(庶民が使い始めたのは数百年なのでしょうが)、使ってきた紙への愛着は大きいですし、紙の持つ温もり、暖かさは捨てがたいものがあります。そして、研究し尽くしてきた紙の印刷技術の積み重ねも無視できないほど大きな人類の資産でしょう。

 のドキュメントはこの世紀でついに知識の媒介物としての主役を退くのでしょうか?それともデジタルのドキュメントとうまく折り合いをみつけていくのでしょうか。みなさんはどう思いますか?


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今回アクセスしたページ
  • Sharp Homepage
    (http://www.sharp.co.jp/index.html)
    • Telios
      (http://www.sharp.co.jp/sc/gaiyou/news/991110.html)
  • PostagePlus
    (http://www.postageplus.com/home/default.htm)