[Web Travelers]
[写真] 井上優
 マレーシアでは、イスラム暦のマレー正月が終わり、間もなく中国正月を迎えようとしています。変な話ですが、お正月の狭間ってとこですね。祭りは何度あってもいいものですが、気持ちの切り替えが難しくて…。


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お好み焼きいろいろ

 西暦の新年1月1日、つまり日本でいうお正月というのは、マレーシアでは特にハイライトを浴びることがありません。大晦日まで仕事ですし、元旦が休日となるだけで2日からは会社がごく普通に動き出します。しかしながら、さすがに今年は“New Millennium”ということで、各地でカウントダウンイベントが花火と共に盛大に催されました。クアラルンプール市街地も、日本の初詣を彷彿させる人出だったようです。何はともあれ、心配されたY2K問題も起きず、マレーシアも無事に2000年がスタートすることができたようです。

 年早々、マレー正月直前の1月6日、出張の為、お仕事帰国となりました。
“冬の日本”を味わうのはなんと5年ぶりのこと。冬服などもちろん持ち合わせていない為、東京の実家に辿り着くまでは“夏服の厚着”状態です。すでに体が忘れてしまっている“寒さ”に対する畏怖と期待が入り交じった心地というのは、南国に長年いた方でないとわからないでしょうね。早朝日本に到着後、久しぶりに冬の冷たく乾いた空気を肌に感じた瞬間、なぜか思わずニタニタ笑ってしまいました。ぶるぶるっという感覚がやはり嬉しかったんですよ。でも気持ち悪い奴だったでしょうね、きっと(笑)。

 来、根っからの食いしん坊ですから、久しぶりの“冬の日本”で何を喰らってやろうかと、帰国前から蟹、フグなどなど頭の中を駆けめぐらせていたものの、ふたを開けてみれば、終日缶詰状態の会議が続き、幕の内弁当で腹を和ます始末。
漸く仕事を離れたマレーシアへの帰国前夜、「美味いもの喰うぞ〜」と学生時代からの友人と街に繰り出すも、いざとなるとなかなか決めかねるもの。日暮れの早いネオン街を徘徊しているうち、無性に惹かれたのがなぜか『お好み焼き』の看板。今まで何度か日本に帰ってきてもお好み焼き屋に入ったことはありませんでした。考えてみれば、あの鉄板の前に夏場は座りたくないし、温まったビールを飲むのもイヤ。この季節に帰ってきたからこそ、無意識のうちに足が止まったのでしょう。そうと決まれば早いもの。「お好み焼きでいいの〜?」という友人を尻目にすたこらさっさと店内に。
入ってみてわかったことですが、私はそうでもなかったものの、一緒にいた友人がやたらとお好み焼きにこだわる奴らで、「ここは関西風だな。広島風の方がよかったな」「おっ、もんじゃ焼きもあるじゃない。これは俺に任せろ!」とやたらと講釈がうるさい。

 レーシアにもお好み焼き屋は何軒かあります。いや、ありました。首都クアラルンプールには約10,000人の日本人がいると言われていますが、圧倒的過半数が関西からの方で、これは電気関連メーカーの大きな工場が多いためでしょう。このいわゆる“関西人”の方達の『お好み焼き』へのこだわりはもの凄い。我々“関東者”がいくら許容範囲としても、彼らの舌を納得させられないお好み焼き屋は長続きしない。美味いお好み焼き屋ができれば絶対に繁盛すると言われつつも、なかなか成功しないのが“マレーシアお好み焼き事情”というわけです。

 前我が家でお好み焼きパーティなるものを催した時も、居合わせた大阪出身の友人が「ダメ!押したらあかん!」と私を制した。「広島風はぎゅうぎゅう押すけど、関西風は返した後に押したらあかん」と言う。食にこだわるというのは私もそうだし、決して悪いことではないけども、まぁ、何とも凄まじいものです。
この辺りのことは、お好み焼きには欠かせないオタフクソースや、地方別お好み焼きの違いを綴った東京で食べられる広島風お好み焼きのページなどを見るとそれも何となく理解できます。

 は日本に戻りますが、お好み焼き、もんじゃ焼き、それぞれの“専門家”が目の前で順番に焼きに入っている。「もんじゃはねぇー、この土手作りがポイントなんだよ」などとぶつぶつ言いながら、何年ぶりかのもんじゃ焼きを私に提供してくれる。ちなみにもんじゃ焼きについては、月島もんじゃタウンMONJA AYAを見ると、自分でも何とかできそうな気がします。

 果的には私の直感は大当たりでしたね。久しぶりのお好み焼きももんじゃ焼きも最高に美味かったです。負け惜しみではなく、フグ、蟹より価値あるものでした。そして、最後の最後で“冬の日本”を味わえた満足感を与えてくれた『お好み焼き』と、二人の“専門家”に感謝感謝の夜でした。

 して、「KLでお好み焼き屋をやろうかな」とすぐに考えてしまう相変わらず単純で、今年もやっぱり話題が食べ物に偏りがちな私の、日本の冬レポートでした。 失礼っ!


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