[Web Travelers]
[写真] 岩嵜博論
 実はいわゆる就職活動中です。グループ面接とかに参加して、学生の、自分たちとは違った異質な人々(面接官とか人事の社員)に対する不思議コミュニケーションの数々を目撃しました。学生同士だと普通にしゃべれるのに、どうしてあんなに豹変してしまうのかまったくナゾです。


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つなげるからつながってるへ

 の「WebMag」はインターネット上に公開されているので、このページを見るためにはコンピュータをインターネットに接続させなければなりません。みなさんは、どのようにして接続してますか。ほとんどの方は、ダイヤルアップ接続という方法で、電話回線を使って、プロバイダのネットワークに接続しているのではないでしょうか。Windowsだと、ダイヤルアップネットワークを起動して、「接続」ボタンを押すと、モデムが「ツー、ピポパポ・・・」と電話をかけ始め、「ピーピーガーガー」という奇怪な音を立てた後、インターネットにアクセス可能になるという手順だと思います。Macintoshでも細かい操作は異なるにしろ大筋では一緒です。ISDNでも、「ピーピーガーガー」が省略されて、ダイヤルから接続までの時間がモデム接続に比べて多少短くなるだけで、その原理はあまり変わりません。つまり、ほとんどの方は、インターネットに接続しようという意志のもと、それまではつながっていなかったコンピュータをある操作によって接続し、用が済むと切断するという能動的な作業を毎日のように繰り返しているのです。この一連の操作下では、コンピュータがインターネットに接続していないときと、接続しているときの境界が明確です。

 て、このページを読まれている人の中には、職場や学校などのコンピュータからアクセスされている人も多いかも知れません。そんな方々にとっては、上に書いたような話はピンとこないかも知れません。通常、会社や大学に置いてあるコンピュータは、いちいち接続の作業をしなくても、Internet Exploreや、Netscape Navigatorなどのブラウザを起動すれば、即どこへでもアクセス可能な状態になっているものです。これは、会社や大学には、インターネット用の専用回線がひかれていて、インターネットと常時接続しているためです。そもそもいわゆるインターネットは、30年ほど前のアメリカで、複数の研究機関をこういった専用回線で結びつけることからスタートしているのです。このあたりの事情は、郵政省の「通信白書 for Kids:インターネットの世界」に「インターネットの歴史と成長」としてわかりやすく説明されています。つまり、専用回線による常時接続こそが、インターネットの本来の姿であり、ダイヤルアップ接続のように必要に応じて接続するという方法は、いわば特殊解であったことがわかります。ところが、専用回線はコストがかかる上、簡便ではなかったため、家庭でのインターネット接続のニーズにはダイヤルアップ接続方式で対応せざるを得なかったのです。

 ころが、最近家庭での専用回線によるインターネット接続が徐々に一般的になりつつあります。その先鞭を切ったのが、CATV回線によるインターネット接続サービスです。そもそもCATV回線は一般家庭までケーブルを引き込み、映像番組を配信しているわけですが、この物理的なケーブル網を映像だけでなく、インターネットサービスを活かそうという動きがあるのです。東急ケーブルテレビはその先進的な例としてよく引き合いに出されます。東急ケーブルテレビではインターネットのみの利用の場合、月額5200円で高速の常時インターネット接続サービスを受けることができます。画期的な料金設定ともてはやされたNTTのOCNやDDIのDIONの格安専用線接続サービスですら、月額3万円程度ですからCATVインターネットの価格が割安かわかると思います。最近マイクロソフトが、日本におけるCATV大手のタイタス・コミュニケーションの株式を取得するというニュースがありました。マイクロソフトというコンピュータ業界の巨人が、CATVの会社を傘下におさめるというこの図式は、CATVのネットワークがもはや映像配信のインフラとしてだけではなく、家庭向けインターネット網の新しいインフラとして注目されていることを示していると言えるでしょう。

 CATVによる格安の専用回線サービスに加えて、最近「ADSL」という新しいサービスが注目されています。ADSLに関しては、BizITの中のADSLに関するページが参考になります。ADSLとは、既存の電話回線の電線を利用して、現在のモデムでの接続以上の速度を実現した常時接続サービスのことです。具体的には、NTT東日本や、東京めたりっく通信といった会社がこのサービスを提供しようとしています。CATVによるインターネット接続サービスでは、CATVの回線を新たに各家庭まで引き込む必要がありますが、ADSLでは既存の電話回線の電線をそのまま利用することができるため、新しいインフラを設置する必要がなく、コストを低く抑えた専用回線のサービスが供給されるようになります。このADSLサービスによって、インターネットの専用回線による常時接続が一般家庭においても急速に普及することが予想されています。

 て、インターネットが常時接続化されることは、高速のインターネット接続が格安で利用できるようになる以上の意味を持っています。これまでは必要に応じてダイヤルアップで接続し、必要がなくなると回線を切断していました。しかし、これからは、コンピュータを起動するということとインターネットに接続することがイコールになります。それだけではありません。例えば、電化製品がインターネットに接続されることが考えられます。InternetWatchのレポートでは、岡山県の「地域イントラネット構築実験」の一環として24時間、365日電源が入っているという特性を利用した、インターネット接続可能な冷蔵庫が紹介されています。さらには、インターネットに常時接続した電化製品を外部からコントロールすることができる可能性もあります。ビデオの予約を忘れても、外からインターネット経由でビデオデッキをコントロールし、予約を入れることができるようになるかもしれないのです。

 1995年あたりから急速に一般化したインターネットは、これまではメディアの一種として利用されてきました。例えば、ニュースをインターネットで見たり、株価情報を収集したり、企業の会社紹介や、パソコンのカタログですらインターネットを見れば済むようになりました。そして現在、インターネットはその接続形態の変化から、次の段階に向おうとしています。一方的に情報を収集、或いは発信するといったメディアとしてのインターネットから、コマンドを伝達する身体の延長としてのインターネットへと進化しているのです。怪物くんというマンガがありましたが、まさにこれからのインターネットは、怪物くんの手足のように自由に伸び縮みし、世界中に偏在するインターネットに接続されたあらゆるものにアクセス可能になるグローバルな身体性を獲得する契機となるのではないでしょうか。



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