[Web Travelers]
[写真] 金子伸二
 年末年始は実家に帰って、ひたすら食べて飲んで寝るという生活でした。東京へ帰る列車の中から少しだけ見えた相模湾のおだやかな海の色が、妙に鮮やかに印象に残りました。途中下車して海岸を歩かないのが大間違いに思えるような、あまりに魅力的な一瞬の風景でした。


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はちみつぐるぐる

 年になってからというもの、はちみつに少々凝っています。
というのも、1月6日にNHK総合テレビで放送された「地球に乾杯」という紀行番組で、ネパールのライ族という人たちの、はちみつ採りの模様を紹介していて、それが非常に印象的だったというのが直接のきっかけなんですね。村を代表するはちみつ採りの勇者が、切り立った断崖の巨大なハチの巣に、縄ばしごと竹かごという簡素な装備で挑んでいくというのが驚きでしたし、はちみつ採りの作業が神聖な行為として扱われ、随所に山の神への祈りが不可欠のものとして折り込まれていて、そうして採られたはちみつが子供から老人まで、村全体で大切に分けられる様子を見ていると、はちみつの価値を見直さなくちゃいけないような気になりました。
もともとわが家の場合、頂き物のミカンの花のはちみつを使っていて、一般的なブレンドはちみつやアカシアはちみつとはずいぶん風味が違うなぁと感じていたのですが、先のテレビをきっかけにして、あらためて食料品店の棚を探してみると、ずいぶんといろいろな種類のはちみつが並んでいますし、図書館やインターネットではちみつのことを調べてみると、これが非常に奥の深いものであることに気がつきました。
そこで今回は、はちみつに関連したサイトをめぐりながら、人とはちみつとの深いつながりを感じてみようと思います。

 ず、はちみつについての一般的な知識をわかりやすく教えてくれるのが、社団法人 日本養蜂はちみつ協会のページです。この協会は養蜂産業の発展・振興を目的とした全国組織なのだそうで、都道府県ごとの養蜂協会がその会員となっています。会員一覧を見ると北海道から沖縄まで全国にわたっています。養蜂というのは特定の場所でしかできないものかと思っていましたが、日本各地で行われているんですね。
はちみつについて調べ始めたときに最初に疑問に思ったのは、アカシアだのミカンだのといった具合に、いったいどれくらいの種類があるのかということです。はちみつのもとになる植物を「みつ源植物」と呼ぶそうですが、「日本のみつ源植物」のページでは、なんと28科46属にもわたる植物の名前が挙げられています。クローバーやレンゲのはちみつはよく目にしますが、クリ、トチノキ(マロニエ)、シナノキ(ボダイジュ)、カキ、ソバなどから採られたはちみつがあるとは知りませんでした。これらはまだ代表的なものだそうで、ツバキやチャ(茶ですよ、茶!)、サクラ、キャベツ(!)、メロン、タンポポなど、意外なものがたくさんあって、いったいどんな味のはちみつなのやら興味津々といったところです。
このサイトでは他にも、養蜂の歴史や養蜂という仕事のあらまし、はちみつの品質や食べ方などについても詳しく紹介されているので、はちみつについて何か疑問がわいたというときには、まずここを覗いてみるとよいと思います。

 ちみつはもちろん花だけでできるわけではなく、花のみつをはちみつにしてくれるミツバチがいてくれないとできません。みつばち広場というかわいいデザインのページは、そうしたミツバチたちのことについて詳しく教えてくれるサイトです。
ミツバチが高度な役割分担を持った社会をつくっていることはよく知られていますが、「みつばちの不思議なくらし」では、その社会の仕組みや暮らしぶりが豊富な写真でわかりやすく解説されています。働きバチって、みんなメスだったんですねぇ。
オスバチは交尾以外は巣の中でぶらぶらしているだけで、食料が減る秋になると巣から追い出されるそうです、なんともはや……。
「養蜂入門」というコーナーには、「あなたも養蜂にチャレンジしてみませんか?」という言葉が掲げられていて、これには「エッ?」と思いました。養蜂なんて代々続いた専門家でなければ無理と思っていましたが、これから始めるというのもアリなんですね。大変な仕事であることはもちろんなのでしょうが、それにしても「道具をそろえましょう」とか言われると、そそられてしまいます。なんか、いいなぁ……。
そして「世界の養蜂レポート」では、ドイツやオーストラリア、ルーマニアといった国々での養蜂産業の様子が報告されています。「養蜂の神様」や「養蜂の法王」までいるドイツの養蜂研究の蓄積や、養蜂が医療と結びついた「アピセラピー」の概念が発達しているルーマニアのレポートを見ていると、いずれの国においても養蜂やはちみつがそれぞれの社会や文化と深いつながりを持っていることが感じられます。前出の日本養蜂はちみつ協会の資料では、養蜂は旧ソ連地域や中国、北米、ヨーロッパ、中南米などで盛んだそうですから、養蜂の文化は世界各地に存在しているわけです。国内や海外を旅行した際に、その土地のはちみつを買って帰るというのも、いい記念になりそうです。
そして、このサイトを運営する山田養蜂場のページに掲載された紹介メッセージでは、養蜂というものがその土地の自然や歴史と深く結びついた営みであることが語られています。「鏡野の四季」と題されたページでは、養蜂場のある岡山県鏡野町での、そうした養蜂と自然や歴史とのつながりが写真による風物誌として見事に描き出されています。う〜ん、行ってみたいぞぉ!

 て、「みつばち広場」でミツバチについて興味がわき、もっと詳しく知りたいと思ったときに頼りになるのが、玉川大学ミツバチ科学研究施設です。
玉川大学の農学部でミツバチの研究が始められてから50年にもなるということで、いったいどんな研究をしているのか、その一端をうかがうことができます。実際、はちみつやミツバチについての本を探していると、この研究所に関係した方の書かれたものがたくさんあって、それくらい日本では代表的な研究機関であるようです。
内容としては学会や学術講演の情報の他、「ミツバチ問答集」ではミツバチや養蜂についての素朴な疑問に対して、専門家からの明解な解説がされていますし、機関誌や専門書の紹介、そして充実したリンク集もあって、ミツバチのことをもっと調べていくときの拠点になるようなサイトといえます。学問的な立場をきちんと堅持しながらも、専門家の枠に閉じずに、ミツバチに興味を持つ一般の人に対しても開かれた、大学の研究機関とは思えないような(もちろん良い意味で)雰囲気が感じられるのがいいなぁと思いました。

 川大学のリンクに紹介されているように、はちみつやミツバチ、養蜂に関するサイトはまだまだあって、面白いもの、参考になるものがたくさんあります。それに、全般的にページの内容や表現のレベルがかなり高いんじゃないかという印象を受けました。ミツバチに関わっている人って、ひょっとしてWebページづくりの才能もあるんでしょうか? また機会をみてご紹介できればと思います。
というわけで、今のところわが家にはクローバー、ミカン、ライム、ラズベリー、ラベンダーという5種類のはちみつが並び、さらにはちみつを巻き取るためのハニースプーンなるものまでゲットし、食べくらべては味がどうの、香りがどうのと言い合っています。


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