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[写真] 眞柄裕美
 先日、実家の母が電話をかけてきて、町に「風力発電ができた」と興奮気味にしゃべり始めた。「風力発電は環境にやさしい」とか、「クリーンなエネルギー」だとか、自慢気にまくしたてている。実はこの人、このあいだまで、燃えるゴミと燃えないゴミの分別もしないような環境オンチだったのだけれど、急にどうしてしまったのだろう。


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風力発電は利用可能なエネルギーか?

力発電ができた、と嬉々としているわたしの母は、三重県の久居市というところに住んでいる。これが久居榊原風力発電施設だのページを見ると、なるほど日本一という風車群が高原にそびえたっている。4基の発電機で約2、400世帯分の消費電力をまかない、市の年間総消費電力量からでるCO2を約5%削減できるというから、なかなかのものだ。
 この風力発電で作られた電気は、電力会社に買い取られることになる。中部電力のプレス・リリース、風力発電からの電力購入契約の締結についてによると、1kWにつき、11円7銭で、買い上げられる。Mainithi Interactive photoジャーナルによれば、これで年に約1億円の売電収入が得られるということだ。青山高原は風力発電にぴったりのページには、整備事業費が8億8600万で、 事業費のうち約半分の補助金がでているとあるが、この数字だけで計算すれば、5年で元がとれ、あとは安定収益が得られることになる。素人の単純計算だが、もしこれに近い結果が出せるなら、自治体にとって有益な事業になるだろう。
 その上、日本では風力発電というのは、目新しく話題にのぼりやすいから、地域の活性化やイメージアップにもつながる。実際、わたしも関東地方で、この風力発電のニュースを何度かラジオで耳にした。収益を上げ、町起こしになり、しかもクリーンなエネルギーを生みだすのだから、市民も鼻が高いだろう。

都府でも、久居市と同様に大規模な風力発電の事業化を目指す取り組みが始まっている京都府が風力発電事業。完成すれば、3000世帯分の電力供給が可能らしい。
 この記事を掲載する太陽光・風力発電トラスト・ホームページは、公害のないエネルギー源の開発を提案している。原子力発電の抱える問題から、太陽光、風力発電を始めとする再生可能エネルギーに関する情報まで広く集められている。その中の急速に増加する世界の風力発電によると、ドイツやデンマークで風力発電が急成長したのは、市民が風力発電機を所有し、電力会社に電気を売るシステムがあったからだそうだ。規制緩和と電力協同組合によれば、今の日本では、電気の小売りは規制されていて、そのことが風力発電が普及しない要因の一つになっているらしい。国際機関も政府も電気業界の規制緩和を望んでおり、国民がもっと関心を持てば、自由化の時期は早まるかもしれない、とのことだ。そういう意味では、風車を設置する自治体の動きも、風力発電の普及に大いに貢献するだろう。なにしろ、うちの母のように環境問題に関心のない人でさえ、盛り上がっているのだから・・・。

らにもう一つ、日本が世界に比べて、風力発電で遅れをとっている理由を分析しているページを見てみた急成長する世界の風力発電−何が日本での普及を阻んでいるか。ここでも、買電制度の不備、電気事業の不透明で不公平な商慣行などを阻害要因として挙げている。
 他にも興味深かったのは、風力発電が“当てにならないエネルギー”であるという迷信が、普及を阻んでいるという意見だ。そして、具体的な提案として“風力発電がすでに実用レベルの技術およびコストに達しているという正確な事実”を市民に広めることを挙げている。わたしも、今回ネット上で詳しく知るまでは、風力発電は、まだまだ実験段階で、コスト的にも見合わないと思い込んでいた。ところが実際には、遠い夢などではなく、明日にも利用可能なエネルギーだったのだ。より多くの人が、風力発電が実用的な発電機であることを知り、普及を望む声が高まれば、政府も電力会社も動き出さざるをえないだろう。

力発電による電力の大量な供給が実現するのであれば、地球の未来は明るいのではないか、という気さえしてきた。日本からデンマークに移り住み、デンマークでのエネルギー政策を世界に広めようと、「風のがっこう」を主催しているケンジ・ステファン・スズキさんのページには、こんなメッセージがのっている。

『風車は未来を向いてまわっている』


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