[Web Travelers]
[写真] 眞柄裕美
 アメリカに住む知人が、2000年に向けて、水や食料を備蓄し始めているというメールをくれた。どうやらコンピューターの2000年問題で、電気、水道、ガスなどのライフラインが絶たれることを想定しているらしい。でも、日本では、わたしの身近なところでも、マスコミでも、2000年問題に対する危機感はあまり感じられない。日本とアメリカでは、2000年問題への取り組みが違うのだろうか?


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2000年問題と暮らしの備え

 Y2K。コンピューターの2000年問題は、略してこう呼ばれている。多くのコンピューターが、西暦年を下二ケタで判断するようプログラムされているため、「2000年」を「1900年」と認識してしまい、誤作動やトラブルが発生する恐れがある。だから今、プログラムの修正作業が急速な勢いでおこなわれている・・・。ここまではよく知られた話だが、現在、その作業がどこまで進み、そして2000年に間に合うのかどうかは、一般市民にはなかなか伝わってこない。日本のマスコミの報道を見る限り、それほど心配する必要はないと言っているように、わたしには感じられる。でも、その言葉の語尾を注意深く見聞きすると、‘〜であろう’とか、‘〜と思われる’というように、あくまでも推測の形をとっているのに気付く。‘危険はないと思われる’という発言を聞くと、危険な可能性もいくらか残っているのだろうかと考えてしまう。少ない情報であれこれ不安に思わず、できるだけ多くの情報を集めて、自分で判断してみたい。

 Y2K Watchingは、さまざまな雑誌情報、インターネット記事を通じて、2000年問題の動向を知らせている。日本を含め世界中のY2K関連のニュースが集められているが、アメリカの記事が圧倒的に多い。表題だけを見ても、かなり具体的な話題が掲載されている。しかも、記事はかなりの数に及ぶ。これらの半分も、日本のマスコミでは紹介されていないように思う。

 Y2K Japanも、いろいろな情報を分野別に網羅している。2000年問題で、銀行、飛行機、食料、エネルギー、医療などがそれぞれどうなるのか、それにどう対応すればいいのか、手がかりが見つかりそうだ。このサイトでは、2000年問題は起こる可能性があり、それにどう対処していくかが考えられている。Y2Kに関する情報を集めているサイトがリスク管理をさかんに呼びかけているのは、興味深い。事実を知れば知るほど、そこにある問題が見えてきてしまうということだろうか。

 メリカ赤十字Y2K準備ページは、アメリカ赤十字のサイトを日本語に翻訳したもの。100年以上にわたり災害活動に従事してきた組織が、かなり具体的で現実的な提案をしているのだから、説得力がある。ここでは、2000年問題は、2000年の元旦にだけ起きるのではなく、1999年の9月9日、2000年のうるう年など、数年に渡って継続的に起こることを予測している。

 これらのページに集められた記事を読み進むうち、わたしも食料の備蓄をしてみようかという気になってきた。

 Y2K備蓄リストでは、何をどう用意するかが実に具体的に紹介されている。役に立ちそうな器具の写真も載っている。これらの器具がキャンプ用品だったり、アウトドア用品なのは、おもしろい。わたしもいろいろ購入計画をたてるうち、ちょっとした遠足気分を味わっているのに気づいた。不謹慎といえば不謹慎かもしれないが、Y2Kに関しては、それくらいの余裕を持って接した方がいいかもしれない。少なくともパニックに陥るよりは、どこかに遊び心を持っていた方がいいと思う。  さて、備蓄の計画でわたしなりに考えたのは、無駄なものは購入しないということ。2000年問題が起こらなくても、備蓄した水や食料は残さずに飲み食いしたいし、キャンプ用品はレジャーに活用したい。

 分の備蓄計画を練りはじめると、周りの人にも備蓄をすすめたくなってきた。でも、人にすすめて、もし何も起こらなかったらとか、備蓄が無駄になったらと考えると二の足を踏んでしまう。もしかしたらこれが、2000年問題の厄介なところかもしれない。問題は起きるかもしれないし、起きないかもしれない。本当のところは誰にもわからないのだ。それでも、2000年のシュミレーションをたててみる。もし、コンピューターの誤作動で、電気、水道といったライフラインが絶たれ、水も食料も手に入らなくなったら? その時、自分は水と食料を備蓄してあるのに、隣人は何も用意していなかったら?

 000年問題(Y2K)と日本のコミュニティの未来は、このような事態を避けるために、個人が備蓄に走るのではなく、自治体として対応することをすすめている。このページの著者であるカリフォルニア在住の中川さんは、日本におけるY2K対策の遅れを心配されて、呼びかけの文章を寄稿されている。

 Y2K最新情報フロムボールダーでも、コミュニティ全体でY2Kに備えることを目指している。Y2Kを単なる危機ととらえるのではなく、わかちあいのコミュニティをつくる絶好のチャンスと考えようという呼びかけがされている。危機をきっかけに、人と人とのつながりを深めようというのだ。わかちあいのコミュニティなんて、今の日本で可能だろうかという気もするが、阪神大震災の時、平常時よりも人と人との絆が強まったことを思い出せば、無理なことではないだろう。

 本国内にも、Y2Kに備えて連帯しようという動きがある。Y2K市民ネットでは、インターネット上で問題を広く伝える取り組みをしている。2000年問題に関するホームページ開設のすすめから、翻訳者募集まで、市民参加型の活動が繰り広げられている。こうした動きで2000年問題が広く市民に浸透すれば、自治体も何らかの対策をとらざるをえないかもしれない。

 こまで見てきて、個人的に備蓄するだけではなく、周囲の人にも2000年問題で起こりうる事態を告げていった方が賢明なことがわかった。人に伝える際、ネット上の記事をプリントアウトして渡すのも一つの方法かもしれない。例えば、家庭における2000年問題などは短くまとめられ、しかも配布が許可されているので、配るのには適している。最終的には自分で判断して下さい、という一言が添えられているの嬉しい。

 け足で、Y2K対策のサイトを見てみたが、どれも共通しているのは、パニックだけは避けたいというものだ。日本でもオイルショックの時に、消費者がトイレットペーパーを買い占めたことがあった。そうならないよう、早めに準備しようと呼びかけている。わたしもとりあえず備蓄計画を実行に移し、家庭における2000年問題などの記事を周りの人に配布していこうと考えている。まあ、半分はまじめに、半分は楽しみを見い出しながら。


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今回アクセスしたページ
  • Y2K Japan
    (http://www.y2kjapan.com/jp/index.asp)