[Web Travelers]
[写真] 眞柄裕美
 この夏、関東や東北地方では例年以上に暑い日が続いた。この高温もあの地球温暖化と無縁ではないだろうから、わたしも何とか省エネを心掛けねばと思うものの、いかんせんこの暑さ、一度エアコンを使ってしまうと簡単にはやめられない。省エネが・・・、でも暑い・・・。そんな葛藤の中で1999年の夏が過ぎ行く。


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ケナフが地球を救う?

 球温暖化を肌で感じつつも、冷房のスイッチが切れないというジレンマにおちいったせいか、温暖化の原因となるCO2をいかに削減するかというサイトが目に飛び込んできた。その中でも、ケナフという植物が気になった。

 ナフという植物は二酸化炭素を多量に吸収するため、地球温暖化防止に役立つらしい。しかも、ケナフから紙をつくることができるので、ケナフ紙が増えれば、森林の伐採も減ると期待されている。CO2を吸収してくれて、その上、紙の原料になる。おまけにケナフは成長が早く、乾燥した土地でも育つらしい。古くはエジプトのミイラの包帯にも使われていた。

 を守るみどりの卵〜ケナフのページでは、ケナフの持つ力、その育て方、植物が地球環境に及ぼす影響などが、わかりやすく解説されている。ケナフは、二酸化炭素を大量に吸収すればするほど成長が早くなるので、二酸化炭素をたくさん排出している火力発電所や工場などで栽培すればいいという部分を読むと、ケナフへの期待が高まる(地球環境とケナフ 第六回)。

 ナフの会は、ケナフを広めて地球環境を守ろうと、広島市で結成された団体。植林ならぬ植草プロジェクトをおこない、種の通信販売もしている。ここでは、ケナフ通信が発行され、ケナフに関する最新情報が届けられる。

 ナフDEパラダイスでは、千葉県の小学生がケナフについて学び、実際に種から育て、紙を作ったり、ケナフのパワーを実証するための実験をしている。ケナフの成長の過程で学び、発見したことを、クラスメートが分担してホームページをつくる。このHPで圧巻なのは、なんといっても四月から十二月にかけて、ほぼ毎日続けられる観察日誌。新学期が始まって担任の先生から「ケナフって知ってる?」と言われたのをきっかけに、インターネットでケナフのHPを調べ、「ケナフの会」から種と育て方を取り寄せ、子供達が自力でケナフを育てていく。未知の植物に対し、みんなで考え、工夫する様子が記録されている。日誌の最後にも書かれているように、彼らはケナフを育てる過程で、さまざまなことを学ぶ。地球環境、植物の成長、紙すき、科学的な実験、料理、押し花、ホームページのつくりかた、等々。そして、クラスのみんなと協力するから、グループワークも自然に身についていく。主体性を持って課題に取り組むことで、子供達の学ぶ力が最大限引き出されるようだ。

 ナフから、いろいろな学習のきっかけが得られるということで、ケナフを育てる取り組みは全国で広がっている。全国発芽マップには、ケナフを育て、学びの道具に役立てている学校のリストが載っている。全校一斉同じ日に種をまき、成長の記録を交換しあっている。

 ナフが地球温暖化の防止に役立つことはわかったが、日本ではケナフそのものやケナフ製品は、まだ十分に普及していない。どうやらケナフのパルプが割高なことが、普及を阻んでいるようだ。この問題を解決するために、ケナフの種を安価に育てようと試みている協会がある。日中ケナフ協会では、中国内モンゴルに200万坪の広大なケナフ種子農園を拓き、種子とパルプ原料を安価に供給するプロジェクトをすすめている。

 在、日本では、木材からつくられた紙やその再生紙が主に流通している。でも、非木材紙の原料によると、木材から紙をつくるようになったのは、せいぜいここ150年くらいのことで、それ以前は世界中のいろいろな地域で、植物から紙が作られていたらしい。その植物の種類は豊富で、バナナ、サトウキビ、竹、雑草など、いろいろな植物が紙に形を変えている。
 ここに登場するサトウキビ、バナナなどの農業廃棄物は、主に東南アジアや南アメリカなどの途上国で大量に発生する。そこで、これらの廃棄物から紙の原料をつくり、地域の経済的自立を促そうという活動もおこなわれている(地球環境問題と紙)。
 地域でとれる農業廃棄物から低コストで紙ができれば、子供達の教育にも役立ち、さらに地域の新たな輸出産業として成り立つ可能性もある。
 このページの日本環境財団は、ツリーフリーペーパーの普及に取り組み、「ツリーフリー基金」の窓口になっている。「ツリーフリー基金」は、非木材紙の製品価格の1%を積み立て、途上国の自立支援や森林保護をおこなう団体の活動に助成している。第一回ツリーフリー基金助成プロジェクト活動報告には、ツリーフリーペーパーの消費者にもわかりやすく、基金の助成を受けたプロジェクトが紹介されている。(第1回ツリーフリー基金助成プロジェクト活動報告
 地球温暖化への危機感から、ケナフ、バガス(サトウキビの搾りかす)、バナナ、麦ワラ、葦・・・、この先いろいろな紙が登場しそうだ。それぞれのツリーフリーペーパーの風合いと手触りを楽しみたい。


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