[Web Travelers]
[写真] 眞柄裕美
 このところ、鳩が家のすぐ前を横切っていくなと思って見ていたら、隣家の松の木に巣をつくっていました。さっそく人から双眼鏡を借りてきて覗いてみると、巣の中でじっと座って卵を温めている様子。無事に卵がかえって、かわいい雛の姿が見られるといいのですが・・・。


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「買ってはいけない」ものを買わずに暮らすに

 の頃、『買ってはいけない』というブックレットがよく売れている。この本は、企業からの広告収入をあてにしない週刊誌「週刊金曜日」の連載コラムを一冊にまとめたもの。「週刊金曜日」のHP上では、その中身は見つからなかったので書店のレジ横に平積みにされているブックレットを手にとってながめてみると、そのストレートな内容にちょっと驚かされた。本の中では、広く流通している大手企業の商品が健康に害を与える、自然環境を損なうなどという理由で、名指しで批判されているのだ。
 化学調味料、食品添加物などを使用した食品類、合成洗剤、合成シャンプーなどの洗剤類、百害あって一利無しの化粧品や薬など、テレビCMでもお馴染みの商品がずらりと並んでいる。この本が書籍の売上ベスト10に名前を連ねるようになってからは、いくつかの週刊誌や月刊誌で、『買ってはいけない』を批判する記事も載り始めた。
「買ってはいけない」説も「買ってはいけない」反対説も、科学的な内容を多くふくむので、素人のわたしが真偽のほどをただすことはできないが、ここでは「買ってはいけない」説が間違っていないということで話をすすめてみたい。

 『買ってはいけない』をじっくり読んだ人の中には、身近な商品にこれほど問題があるなら、いったいどこで何を買えばいいの? という疑問を持った人も多いのではないかと思う。本の中には、「私がこだわるこの商品」という題のコラムがあり、4人の執筆者がそれぞれの「買ってもいい」ものを紹介している。それらのうち、インターネット上で探せるものをみてみたい。まず、執筆陣の一人、渡辺さんが主に食品や生活用品を買っているのは、生活クラブという生協。

 「生活クラブ連合」は、数ある生協の中でも、組合員が筋金入りの活動をしている組織だ。より安全でおいしい食品を求めて組合員が意見を出し合い、改良していくので、安全性、質ともに優れていると言われる。環境問題にも早い時期から取り組み、ガラスびんを繰り返し使うリターナブルビン制度も数年前から導入している。とにかく組合員の活動は熱心で、生活者の意見を行政に届けようと政党をつくって代表議員を議会に送り込んでいるくらいなのだ。とはいっても、生活クラブと政党の活動は全く別れていて、この生協に入ったから政党を応援しなくてはいけないということは一切ないとのこと。それから、これまでは「生活クラブって、ものはいいけど、活動が大変なのよね」と敬遠する人も多かったが、この頃は、個人でも加入できる地区が増えてきたので、活動に参加する時間のない共働きの人や独身者でも、安全な品がリーズナブルな価格で購入できるそうだ。個人加入の生活クラブは、ちょっとねらい目かもしれない。

 「シャボン玉せっけん」は、執筆者4人のうち、3人が愛用しているという洗剤。あの「LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999」を協賛した会社だ。わたしも、音楽家の坂本龍一氏と粉石鹸の組み合わせを聞いた時は意外な感じがしたが、このページの森田社長と坂本龍一氏の対談を読むと納得させられる。森田社長の「いいものはいい」という経営哲学は、感動的だ。

 に『買ってはいけない』のこだわりの商品のなかには、様々なオーガニック食品が載っているが、そこまでは追いきれないので、ここは私の独断と偏見で、そこそこオーガニックで、なおかつ商品が全国規模で手に届きそうなサイトを探してみた。

 とえば、生活クラブ生協が地域にない場合は、「大地を守る会」などの自然食品店を利用する手もある。ここは、宅配便が届く地域であれば、日本全国どこでも届けてくれるそうだ。現在はインターネット上でお試し企画もおこなわれている。

 協や宅配は前もって注文をするシステムなので、不便に感じる人もいるかもしれない。お店に行ってその場で買える気軽さは嬉しい。そんな時は、「自然食品ショップ目次」を参考に、自分の行動範囲内で行ける店を探す方法もある。それから、「ポラン・ネット-ポラン広場」というオーガニック食品のHPでは、全国に散らばる『ポラン広場』のお店を紹介している。この『ポラン広場』のお店、じつはわたしの町にもあって時々利用するが、オーガニックという名前に見合った品を扱っているように思う。「ポラン・ネット」では、広範な地域で宅配もおこなっている。

 『買ってはいけない』の渡辺さんは、近所のスーパーで、うどんやスパゲティなどの乾麺を買うそうで、この手のものは安全らしい。だいたい添加物などは加工した食品に入りやすいから、自分で原料から料理すれば、「買ってはいけない」ものの摂取量も減るのだ。
 しかし、外で働いていれば、どうしても外食に頼らざるをえない。職場のそばにおいしくて安全な素材を使ったレストランや弁当屋があると嬉しい。「自然食レストラン目次」は、全国の自然食レストランを紹介している。
 まあ、オーガニックと名乗っていても、ピンからキリまであるので、全て手放しで安全というわけではないだろうが、いろいろ試しつつ情報を仕入れていけば、だんだん目が肥え、舌も肥えていくと思う。

 て、『買ってはいけない』が売れているからといって、ここに書かれている商品の不買運動が起こっているという話は聞かない。売れ行きに多少影響が出ているかもしれないが、これを読んだ人がみな買わなくなるというわけではないだろう。テレビCMの影響力は強いから、相変わらず合成洗剤で洗濯し、化学調味料の入った食品を喜んで食べる人が多くいると思う。テレビの画面上では、『買ってはいけない』で批判されている食品は、とてもおいしそうに見えるし、合成洗剤のCMで、合成洗剤で洗った真っ白なシャツを家族に着せるのが妻や母の愛情であるかのようなナレーションを繰り返し聞かされて、その気になる人も多いだろう。そういえば、ちょっと前に「亭主を早死にさせたけりゃ、添加物たっぷりのおかずを食べさせて、合成洗剤で洗った洗濯物を着せればいい」なんてブラック・ジョークが一部で流行ったが、こういう台詞を人気タレントがテレビCMで繰り返し言ったら、粉石鹸が普及するかもしれない。
 まあ、日本では人の足をひっぱるようなコマーシャルは受けないから、それよりは坂本龍一氏あたりが「僕も使ってます、粉石鹸」と癒し系の音楽を背景にメッセージを伝えたほうがグッドかも・・・。などと妄想にふけっていてもしょうがないが、たとえ劇的な変化が起きなくても『買ってはいけない』が飛ぶように売れて、企業ではなく、消費者の側に立った情報が広がっていくのは、いいことだと思う。情報は繰り返し伝えられ、たくさんの人が知ることで、浸透していくものだから。
 現状では、「買ってはいけない」とされる商品の方が、そうでない商品よりも大量に出回っている。だから、「買ってもよさそう」な商品を手に入れようと思えば、ここで調べたような生協や自然食品店から配達してもらったり、そこに出かけていくことになる。理想は、もっと身近のスーパーやコンビニ、弁当屋やパン屋、学食や定食屋でも「買ってもよさそう」なものが手に入ることだ。この『買ってはいけない』の情報に多くの消費者が触れることで、市場に出回る商品の安全性は少し向上するかもしれない。というわけで、『買ってはいけない』のベストセラー現象に私は少し期待している。まあ、批判された企業が買い占めているのではないことを願いつつ・・・。



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