[Web Travelers]
[写真] 眞柄裕美
 いよいよ2000年ですね〜。千年紀の変わり目という歴史的な瞬間に居合わせるなんて、感慨深いものがあります。でも私の場合、その感慨の中身をよくよく分析してみたら、1999年が無事に終わることへの驚きに占められているのに気付きました。「ノストラダムスの大予言」など信じていないつもりだったのに、子供の頃にしっかり刷り込まれた恐怖が根強く残っていたようです。洗脳というのは恐ろしいですね。まずはこの洗脳をといてから、2000年を祝うつもりです。


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立木トラスト

 のところ、WebMagの32号に登場したトラベラーズの井上さんによる「楽しい語源調べ」に、はまっています。和製英語「Janglish」のサイトでは、「へ〜っ!?」とか、「そうなんだよね〜」と、思わず声がでたり笑ったり。「語源探検団」のリンク集にある専門用語・業界用語サイトでは、おもしろそうな言葉の意味を想像しながら見ていると、時間があっという間にすぎていきます。

 の中で気になった、というか気に入ったのが、専門用語の「産業廃棄物用語集」(環境問題のキーワード)のところで見かけた「立木トラスト」または、「立ち木トラスト」という名前。木が立ってトラストする・・・?
その用語集によると、「立木トラスト」とは、

 『ゴルフ場建設に反対する住民が起こした運動で岐阜県恵那郡山岡町が発祥の地。予定地にある立ち木を地権者から買い取って、住民の名を書いた名札をぶら下げておく。この運動の特色は立ち木権が一本5000円前後と安いこと、都市に住む住民も立ち木トラストに参加できることなどが上げられる。』

 あります。なるほど、立木トラストとは、木を買い取って自然を守ろうとする運動のことだそうですが、この運動、web上ではどのくらい見つかるでしょう?

 「蓼科ダムを考える会」では、現在進行中のダム計画を撤回しようと、立木トラスト運動を展開しています。二千円で立木のオーナーになると、自分の名前やメッセージを書いたプレートを木につけることができます。これで、立木の所有者となり、ダム建設を進める県に対し、交渉権、発言権が生まれるそうです(「立木トラストへの協力とお願い」)。 自分の名前とメッセージをつけた立木が山の中で、「ダム建設反対」とふんばって立っている姿を想像するのは、なかなか楽しそうです。それから、オーナーになると、年一回トラストの地でイベントに参加できるという特典もあり、また、年に1〜2回、会報も届けられるということです。森に遊びに行ったり、森に思いを馳せながら、ささやかに反対運動に参加する、それが立木トラストの特色と言えます。

 ころで、この蓼科ダム、「蓼科ダムになぜ反対するのか」を見る限り、何のためにダムを建設するのか釈然としません。「WebMag特集 第16号 魚から見た「生きている川」」でも、アメリカではダムを壊しはじめている一方で、日本ではなかなか方向転換ができない現状が取り上げられていますが、日本のダム建設をめぐる問題には、「一体誰のための、何のためのダム建設なのか?」という疑問がしばしばつきまといます。

 ムの建設計画に対して、30年近くも反対し続けている徳島県の木頭村でも、ダム建設の必要性に疑問を投げかけています「ガロの山里ウォッチング」。木頭村の細川内ダム建設反対運動の経過を読むと、地方自治体として国に「NO」と言い続ける勇気、またそれに対して補助金の削減という処置をとる国の対応など、本当にいろいろなことがあるのだと考えさせられます「徳島県・木頭村を応援しよう!!」。そして、ここ木頭村でも、立木トラスト運動で、村の自然と川の清流を守ろうとしています。98年の段階で約3千5百本の立木オーナーが集まったそうです。「第2回 立木トラスト」では、トラスト林開設式の日に参加者が集まって、自然観察を楽しむ様子がうかがえます。立木のオーナーの中には子供もいるらしく、立木と一緒に堂々と写真におさまる姿からは、「僕が木を守るんだぞ」という心意気が伝わってきます。

 て、この立木トラストは、実際、ダム建設反対にどれだけの効力を発揮するのでしょうか?現状を確認するため、蓼科ダム、細川内ダム、それぞれに問い合わせてみました。 それによると、蓼科ダムは、立木トラストは現在500本ほど集まり、まだ募集しているそうですが、土地のトラストも始まり、こちらは100人ほど集まっているそうです。当初は、ダム建設に反対した地主さんがたったの3人で、建設賛成の96人に対して劣勢だったのが、この土地トラストと立木トラストの600人が加わって、反対派が優勢に転じたということです。蓼科ダムの場合は、まだ事業認定がおりていない段階なので、土地の強制執行は行われず、このように反対派の数が多くなれば、建設計画に大きな影響を及ぼすことができそうだということです。

 川内ダムの方は、立木トラストは法的には効力がなくとも、ダム建設反対のプレートをつけた3千5百本もの木が並んで立つことで、視覚的に訴える効果があるということでした。

 方、立木トラストにも何らかの法的根拠がある、と弁護士さんが主張しているサイトもあります。 「立木トラストの法的根拠・有効性」は、日本のエーゲ海と言われるほど美しい岡山県の牛窓というところで、産廃処分場計画に反対しているHPの中で転載されています。
その根拠とは、立木は不動産の登記ができないのですが、立木に名前を書いたり、枝にプレートを引っ掛けることで、所有権を主張できるというものです。「牛窓」のページでは、立木トラストは「産廃の防波堤になる」と期待されています。

 ム、産廃、ゴルフ場、道路など、さまざまな事業の建設計画に反対し、自然を守るために、立木トラストという運動が各地でおこなわれています。この運動は、忙しい人でも、遠く離れた場所からでも、数千円で参加し、経過をそっと見守ることができるのが魅力です。立木のオーナーになるといっても、実際には、木を財産として購入するというのではなく、反対運動を応援するという性質のものですが、そこに立木が存在するおかげで、立木オーナーは、森に親しみを感じ、森から楽しみをもらい、その森を守っているという満足感を得ることができます。このあたりが、立木トラストのいいところではないかと考えつつ、さっそく、立木オーナーの申し込みをするつもりです。


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