[Web Travelers]
[写真] 眞柄裕美
 2000年が無事に明けましたね。予測不能なことが起こると騒がれていた2000年問題も、大事にはいたらずホッと一息。我が家では、これからしばらく備蓄した食品の山(?)で暮らしていく予定です。それにしてもアウトドアなんて柄でもないのに、奮発したコールマンのキャンプストーブはどうしたものか。そのうち公園で闇鍋でもしようかな・・・。


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今年こそ、議論のできる人になりたいけれど・・・

 年の計は元旦にあり、ということで今年の目標をいくつかたててみたところ、

「早起きをする」、
「整理整頓をこころがける」、
「今年こそ定職につく」

など例年通りの計画とともに、

「議論をする」

という何やら目標らしからぬ言葉が浮かんだ。日本人は議論が苦手だとよく言われるが、わたしも例外ではない。論理的で、説得力のある意見を述べようと心掛けても、いつも最後には論点があらぬ方向に行ってしまう。これまで家族や友人、芝居の仲間と話している限りは、さして不自由も感じなかったが、最近になって子供の保育園や小学校の保護者会でいろいろな人と大勢で話をするのに、論理的な議論の必要性を痛感している。だから、今年こそは、議論の技術を身につけたい。Web上でも、議論のための技術なり、指南なり、参考にできるサイトが見つかるかもしれない。

 論の中でも厄介なのが、相手の意見に対して反論する時だ。反論はあくまでも相手の意見に対してであって、その人格を否定するわけではないが、反論された方は不愉快な気分になることもある。相手の感情を害することなく反論をする、というのは容易ではない。相手に納得してもらうためには、説得力が必要になる。

 ィベートという討論形式があるが、ディベートに参加する人は、もともと賛成と反対に別れて議論するため感情的になることも少ない。実践で試す前に、とりあえずディベートで反論の練習をしながら技術を磨くのも賢明かもしれない。

 「日本人の意見(Debate on Web)」は、その名の通り、web上で時事問題からテーマを選んでディベートの場を提供している。誰でも参加することができる。このサイトのおもしろいのは、例えば「夫婦別姓を認めるか?」というテーマがあると、そのテーマについて論じているサイトが数多くリンクされ読者がその場で読めるようになっているところだ。参加者は、このリンク集を読んで自分の意見をじっくり練り上げ、ディベートに参加することができる。今はまだテーマは少ないけれど、これからテーマが増え、リンク集もしっかり集まれば、かなりおもしろいサイトになると思われる。
時事問題を考えるための十分な素材を容易に手にし、自分の言葉で考え理論武装する人達が増えていったら、マスコミや政治家はちょっとコワイだろうな。

 ット上ではなく、面と向かって討論する従来のディベートの会のサイトもある。
Debate Open Space」は、ディベートトレーナーの西部直樹氏が主催する、日本語ディベートを楽しみ、勉強するためのサークル。会への問い合わせ記録を見てみると、わたしのように30代や40代になって、どうしても仕事上ディベートが必要でという人も多く、ちょっと勇気づけられる。ディベートの技術を学ぶには、この会のようなディベートサークルに参加するもよし、「日本人の意見(Debate on Web)」のようなネット上のディベートに参加するもよし、鍛える場はある。

 にも、顔を合わせて日本語でディベートする会として、「The Debate Club」がある。“論理性・即興性を重視した議論を目指して”いるとのことで、ページからはフレンドリーな雰囲気が伝わってくる。

 れから、英語と日本語のディベート勉強会を開く「JBDF HOMEPAGE」は、ビジネス・パーソンが主体で、10年の歴史を持っている。

 に、ディベートではなく、ネット上のサイトに反論を挑むサイトの紹介をしたい。
け・ke・ケ・KE・ケナフ?」では、地球温暖化を防止するとして注目を集めている。 植物、ケナフの問題点、疑問点を大阪市立大の畠さんが挙げている。畠さんは河川敷や休耕田にすむ日本最小のネズミ、カヤネズミを研究している。カヤネズミはオギ、ヨシ、ススキなどに巣を作るが、外来種のケナフがオギやヨシを追いやって、カヤネズミの住処を奪う危険性があると主張し、お手軽な環境ブームに警鐘をならしている。
ケナフといえば、わたしもWebTavelersNo.29で「ケナフが地球を救う?」なんてタイトルをつけてケナフサイトの紹介をした以上、アンチ・ケナフサイトも検討しなくてはならない。

 「ケナフで温暖化は防げない!?」では、“ケナフが温暖化を防ぐ、というのは誇大広告”ではないかと考えられる理由が挙げられていく。ケナフの栽培に生産コストがかかること、育っても捨てる部分が多いことなどが指摘される。それから、トヨタ自動車が田んぼのあぜ道にケナフを植えているのを、朝日新聞が記事にして、「田園風景の復元」と書いたことに対しても、“何で外来種のケナフを植えるのが田園風景の復元なの?”と手厳しい。でも、言われてみれば確かにそうだ。

 「ケナフが日本の生態系を破壊する」では、ケナフが帰化してヨシなどの在来種が圧迫され、在来の動物の生育場所が消える危険性があることに加え、ケナフ推進団体の危機意識の低さを指摘している。

 ンク集には、ケナフ賛成派のサイトも載っているので、読者は賛成派、反対派双方の意見を読み比べることが可能。これができるのも、インターネットの強みだ。でも、賛成派には反対派のサイトは載っていないから、賛成派の読者は反対派の意見を読むことはできない。相互リンクができれば理想的なのだが。

 のアンチ・ケナフサイト、じっくり読んでみると説得力があり、読み進むにつれ自分も「ケナフが地球を救う?」なんて楽観的にサイト紹介したのを反省したくなってきた。一つのことを意見するためには、その背後にある多くのことを詳しく知り、考える必要があるということだろうか。ちょっと立ち止まって考えてみれば当然のことなのに、これがなかなかむずかしい。「環境教育とケナフ」によると、ある県の教育委員会では、ケナフが生態系に与える影響を心配して一生懸命反対した人がいたにもかかわらず、ケナフの苗が各学校に配付されたらしい。それに、ここに書かれているように植物から紙を作るなら、在来のヨシやワラなどを使えばいいわけで、生態系が乱れる危険を冒してまで外来のケナフを植える必要などないのだ。ケナフという新しいものに目を奪われたのだろうか? 考えてみると、環境ブームや流行に乗りやすい自分の態度も反省させられる。

 れにしてもこのアンチ・ケナフサイトは、真っ向から反論を挑むサイトでありながら、“け・ke・ケ・KE”と遊ぶユーモア感覚には脱帽させられる。このユーモアは、相手の感情を害することなく反論するのに役立つかもしれない。見習いたい。


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