[Web Travelers]
[写真] 眞柄裕美
 花粉症の季節もそろそろ終わりですね。わたしはまだ症状は出ていないのですが、周りの人が花粉症に苦しみ、しかも子ども達までが花粉症の影響で喘息やアトピーを悪化させて辛そうにしているのを見ると、いろいろ考えさせられます。この頃では、花粉症と車の排気ガスとの関連が注目されていますが、その一方で高度経済成長時代に作られた道路建設計画の見直しをしようという話題はあまり聞こえてきません。それは何故?と人のクシャミを聞きつつ、思いをめぐらした春でした。


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学校にビオトープをつくろう

 月というのは、子を持つ親にとっては、子どもの学校の入学や進級の季節であるとともに、PTAや保護者会の役員選出の季節でもあります。我が家も、子ども達が保育園、小学校、学童保育と三ケ所でお世話になっているので、それぞれの集まりで「今年、役員になりませんか?」と声をかけられます。今年は、わたしも学校の役員を引き受けようと思っているところです。役員を引き受けると忙しくなるのですが、そのかわり、いろいろな人との出会いがあり、子どもを取り巻く環境への視野も広がります。また、地域のつながりが弱まり、親同士の関係も希薄になっている現在のような時代だからこそ、保護者会の活動に期待したいという思いもあります。

 「棚先日、そんな保護者会への期待やそのための具体的な計画を、これまた今年役員を引き受けようという近所の人と話していたのですが、彼女は既に具体的なビジョンを持っているらしく、こう言っていました。

「わたし、役員になったら、学校でビオトープとか、やりたいのよね」

「ビオトープ?あの、屋上に土入れて草生やすっていう、あれ?」

「まあ、別に屋上だけじゃくて、地面に池や小川を作って、そこに生き物がくるようにすればいいんだけどね」

「へ〜」と、<ビオトープ=屋上に草を生やす>と思っていた私は、少々とんちんかんな受け答え。

 こで、家に帰ってさっそくインターネットでビオトープを検索してみると、膨大な数がヒット。それらの中には、学校でビオトープを作るというサイトも数多くあり、PTAでも役に立ちそうな様子。そこで、学校ピオトープについて調べてみました。

 「インターネットスクール・たったひとつの地球」は、NHKで放映された教育番組で、子ども向けにわかりやすくビオトープの説明をしています。それによると、ビオトープとは、「生き物が生活する場所」(ドイツ語のBIO=生物とTOP=場所の合成語)という意味で、例えば、枯れ木を積んでおくだけでも、生き物が集まってきて生態系をつくり出せば、そこはビオトープと呼べるそうです。
ここに登場する「ビオトープ・マップをつくろう」では、町の中の小さな自然に印をつけていきます。駐車場の片隅、家の庭、空き地、道路の植え込みなどの小さな自然にどんな生き物が集まってくるかを地図にしてみます。その地図をもとに、今度は、鳥や昆虫などの生き物がどのように移動し、ビオトープ・ネットワークを作っているかを調べます。ビオトープ・マップを見れば、ビルが林立する都会でも、点在する小さな自然を生き物が移動しつつ棲息している姿がよくわかります。

 「小金ビオトープ」には、高校の中に作られたビオトープの報告と生徒たちの関わりが丁寧に記録されています。
小金ビオトープ解説」では、ビオトープをつくるために池や水路を掘るところから、地元の草花や樹木を植え、そして、多様な生き物の棲息を確認し、授業での観察、実験までの様子が報告されます。
小金ビオトープの生物」では、Webmag36号の特集「南方熊楠 − 境を超える探究者」にも登場したのですが、熊楠が生涯をかけて探究したという粘菌類も発見され、掲載されています。

 金ビオトープの他にも、もう少しいろいろな学校を見てみましょう。
大阪の学校ビオトープ」は、大阪府内の学校ビオトープを集めています。池の水の供給方法についても、ポンプによる循環濾過、水道水供給、雨水のみと、各校で異なっています。それぞれの写真を見ると、各学校の個性が感じられます。

 阪と同様、神戸市も、学校ビオトープに力をいれています。何しろ、「『一校一ビオトープ』をスローガンにして,2000年までに神戸市の小中学校にビオトープ池を作ろうという運動」を進めているのですから(「All for Earth Club」)。

 「All for Earth Club」では、震災後の神戸で、学校ビオトープを作る試み、ビオトープに対する子どもたちの反応、心の変化、また、ビオトープが子どもだけではなく、地域の大人たちの憩いの場となることへの期待などが語られています。

 の中の「学校ビオトープと子供たちの可能性〜神戸市立御影小学校での実践〜」には、自然に親しむことの大切さが説かれています。環境教育で、例えば、缶拾いのような<自然を守る>行為を優先すると、窮屈な義務感が生じ、長続きしにくいの対し、実際の自然にふれて<自然に親しむ>ことができていれば、<自然を守る>という自主性も生まれるという説です。そこで、環境教育に「まず<(1)自然に親しむ>こと,次に<(2)自然を知る>こと,そして<(3)自然を守る>こと」という順位をつけています。小学校以下の段階では、体験的活動を重視し、<(1)自然に親しむ>ことを優先した方がよいということで、自然に親しむ仕組みとして学校ビオトープが捉えられています。

 た、神戸は、震災で多くの人々が被災し、家屋も全半壊し、ふるさとの景色が失われたわけですが、学校のビオトープを訪れ、憩うお年寄りの姿から、ふるさとの拠点としての役割を学校ビオトープが担えるのではないかという期待も語られています(「ふるさとの拠点として」)。

 のように、ビオトープを実際につくって体験する子どもや大人の様子を見聞きすると、ビオトープというのは、ただ生き物や自然に親しむという環境教育だけにとどまらず、人々の気持ちをなごませ、楽しませる効果があるということがわかります。

 るほど、これはすばらしい。是非、今年、PTAに提案してみよう、という気になってきました。



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