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[写真] 田中一徳
 冬の寒空の中、大学構内でキャンプをした。その名もキャンパスアドベンチャー。東京学芸大学で行われるフレンドシップ事業である。そこで、学生は地域の子ども達と直接ふれあい、体験的に教育手法を学ぶことができる。教員養成大学から教職への就職率が約30%とという狭き門の中で、学生や教員の知識偏重が危惧されている。子ども達と共に遊び、共に学べる先生が必要であることは誰も疑わないが…現実まだまだ課題は多い。


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忘れかけそうな冬の遊びかた

 びという言葉は実に面白い。「今の子供たちは遊び方を知らない」とか「サラリーマンは遊んでいない」なんて言われたり、「遊んでばかりいて、勉強しなさい」「悪い遊びをしている」と使われたりする。子どもから大人まで誰もが使っている「遊び」という言葉。ちょっと知り合っただけなのに、「遊びにおいでよ」と気軽に声がかかる。どんな遊びをするのかと期待しても、実際のその時の遊びは、買い物だったり、食事をしたりすることで、決してディズニーランドに行こうなんて意味ではない。もちろん、幼少の頃にやったお手玉やビー玉遊びではない。しかして考えると、遊びは何にでも使える面白い言葉なのかもしれない。そして人間にとってとても必要な文化的な行動や規範なのかもしれない。学術的な遊び論は、ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」やカイヨワの「遊びと人間」に譲るとして、ここではチョット忘れかけそうな冬の遊びかたに目をむけてみたいと思う。

 の新潟をご存知ですか?雪がたくさん降って、寒く、スキー場があって…といったイメージでしょうか?自己紹介をするときに、出身地の新潟県小千谷市の話をすることがある。すると、「知っているよ。雪が多くて屋根が玄関なんでしょ?」「社会の歴史で習った」、最近では高速道路の交通情報で「六日町―小千谷間チェーン規制」なんてことで知られたりする。実際は、屋根が玄関ってことは今はない(といいきれないこともあるが…)。昔は雪が大変多く、また除雪した雪の処理方法が無かったため、道路に雪があふれていたことはあります。今では、消雪パイプというものがあり、積雪センサーや温度センサーが作動し、自動的に地下水を道路に散布して雪を消します。しかしですね、これで子ども達の遊びも変わってしまったのではないでしょうか?道路脇の雪が無いのです。坂道に雪が無いのです。そり遊びも、スキーも雪が無ければできませんよね。それに、誰でも遊べる空き地が無かったら…。新潟県の《雪国の生活》では、雪遊びを紹介している。子どもは雪があれば、雪合戦や雪だるま(《安塚町》)、かまくらを造って遊ぶことができます。大人は「寒いから、冷たいから」と遊ぶ前から結論を出してしまいますが、遊んでみると結構楽しめたりするもの。本格的に雪合戦をやるなら《壮瞥町役場》の昭和新山国際雪合戦の大会出場も考えてみる。また、かまくらだって、雪国の田んぼや牧場に行けば、どんな大きなモノでもできる。本格的なかまくらは、壁も厚く頑丈で暖かい、風向きに注意しながら入り口をつくり、テーブルや神棚も準備する。換気に注意しながら、鍋をつついたり、お餅を焼いたりする。子どもはミカンに甘酒、大人はスルメに熱燗。結構楽しめたりする。

 の上を快適に歩く道具を知っていますか?雪国の生活道具、【かんじき】がそれです。岩波書店の広辞苑では、「雪の中に足を踏み込まぬため靴・藁靴などの下にはく、木の枝または蔓などを輪にしたもの。木の爪をつけたものや鉄製のものもある」とある。また、講談社の日本語大辞典では、「泥土・氷・雪上などの歩行に用いる特殊な履物の総称。足の埋没や滑りを防ぐため履物の下に着ける。足裏より広い枠状や輪状のもの、また鉄の爪状のものが付いている」とあり、使われかたも様々。「太平記」や「北越雪譜」にもかんじきの言葉があったりする。冬山登山をしている方には、生活道具というより、登山用具のイメージが強いかもしれないが、そのすべりにくさと踏みつけ面積の広さから、かんじきは屋根の雪降ろし(あまりに雪が多いので屋根の除雪を「降ろす」という)や、雪を踏みつけて道づくりに使ったりする。生活地域の地形や雪質によって、大きさや形状、素材が異なり様々な種類があるのも特徴です。小学生の頃は、雪上運動会でかんじきレースをやったことを覚えています。それが、今は「スノーシュートレッキング」と銘打ってイベントが組まれる。生活道具が、遊び道具としても機能している。現代版のかんじきは、軽くて強いジュラルミンでできていたり、登山靴やスノーボードのブーツでワンタッチに履けるものもある(《Tubbssnowshoes》《ATLAS SNOW-SHOE COMPANY》)。アメリカでは、エアロビクス(有酸素運動)としての効果も報告されて、ますます競技も盛んになってきている(《The International Snowshoe Association》)。また、通常行けない森の中や湖の上を歩いて動物の足跡を捜して見ることもできる。暖かい飲みものとチョコレートを持って雪の森に出かけてみてはいかがでしょうか?アメリカで発生した《エルダーホステル》は、滞在型の中高年者向きプログラムを用意している。冬のプログラムも安心できるスノーシュートレッキングやスキープログラムを用意している。エルダーホステルのテーマは、「チャレンジ精神と知的好奇心旺盛な大人のために創られた宿泊型の生涯学習講座」。旅好きな方、国際交流やボランティアに興味のある方にぴったりな講座が沢山ある。

 は、「やっぱりコタツにミカン」と言う方には、家の中でできる遊びがあります。雪国の子どもの遊びも最近では、テレビゲームに夢中になり外で遊ぶことが少なくなってきています。そのため、昔からあるような伝承遊びの類は忘れかけられているのではないでしょうか?子どもにとっては、成長に欠かせない必要な活動。個別化、個性化した生活の中では世代を超えた人々との関わりが少なくなり、コミュニケーションもとりにくくなっています。現代に残る伝承的な遊びは鬼ごっこやすもうがありますが、「家の中でできる」といっても昨今の住宅事情からドタバタ騒ぐわけにもいきません。しかし、伝承遊びの特徴は、からだが触れ合う遊び、歌に合わせた遊び、年齢差を問わない遊び、練習や技術のいらない遊び、大勢でもできる遊びと現代社会に必要な側面が多数ある。ここでは、正月らしい遊びの代表としてカルタそれも花札を紹介したいとおもいます。花札の歴史は安土・桃山時代の「天正かるた」、江戸時代上期の「ウンスンカルタ」から、江戸時代中期に現在使用している花札ができたと言われています(《任天堂》)。花札も地方によって様々な絵柄が以前ありましたが、そのほとんどが絶滅の危機にあります。かつて忘れられた日本の原風景が花札には描かれています。雪国に住んでいた私は、桜の季節も4月下旬と花札の季節より遅く、「なんで違うのかと」親に聞いた事もありました。

 日が忙しい現代社会ですが、忘れてはいけない物も沢山あります。幼少の頃やった忘れそうな遊びをこの2000年の新春に振り返ってみてはいかがですか?


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