[Web Travelers]
[写真] 山田まち子
 主人の父が心筋梗塞で入院し、年末からお正月にかけててんやわんやの毎日でした。 手術の立会いの際、先生からタバコの害や高血圧や糖尿病の遺伝性について詳しく説明を受け、喫煙と遺伝の恐ろしさを認識しました。 以来、家族にも遺伝のリスクを認識してもらうために、魚と野菜料理の毎日です。 娘曰く「わたし、お肉も好きなんだけど…。」 飽食の時代です。皆さんも、成人病にはくれぐれも注意してくださいね。


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ライフサイエンス(生命科学)最前線、『ヒトゲノム解読計画がもたらすもの』

 近新聞を読めば「ヒト遺伝子情報、解読が進む」「米セレーラ・ジェノミクス社90%の遺伝子情報を解読」など、遺伝子やDNAの文字が踊り、スーパーの売り場では「遺伝子組み換え大豆は使用しておりません」「クローン牛は取り扱っていません」の文字が…。皆さんもテレビなどでDNAの二重らせんや染色体などのCGをご覧になった方も多いでしょう。貝類研究の世界でも、DNAによる分類や鑑定に関する論文が目立つようになりました。しかし素人にとっては、DNAと言われてもミクロの世界の出来事ゆえ、いま一つ興味がわきませんでした。しかし今年4月にも、国際共同チームによる90%以上の解読データが発表されるとニュースでも報じられると、いよいよ遺伝子について無関心でもいられない気分…。ということで、今月は、ライフサイエンス(生命科学)最前線、DNAやヒトの遺伝子解読についてリサーチしてみました。

 番の入門編サイトの紹介から。JST(科学技術振興事業団)による<私>って何だろう?の「私の設計図 DNAの不思議」は、Java Scriptでグラフィックや動画を駆使して、「10分で分かるDNA」といった感じで、分かりやすくシンプルに解説してくれます。
「私=DNAなのか?」の「ヒトの心までも遺伝子に操られている可能性がある」という説明は、あなたの遺伝子に対する興味を否が応にもそそるでしょう。
生命の設計図ゲノムも入門編としてお勧めのサイト。慶應義塾湘南藤沢高等部の学生さんがチームを組んで作ったWebだそうですが、さすがヒトゲノム計画(Human Genome Project)に参加している大学の付属校だけあって、基礎知識から遺伝学の歴史、ヒトゲノム計画の解析方法をShockwaveによるCGのシュミレーションにより解説してくれます。さらにゲノム計画の全貌から、踏み込んで解析結果から生じるであろう倫理問題まで紹介してくれるのには、高校生諸君に脱帽するばかりです。
国立遺伝学研究所遺伝学電子博物館も、豊富な画像や動画などで、遺伝子について学べるサイト。特に「分子遺伝学」の「ゲノムプロジェクト」にあるアニメーションは、小学生低学年レベルでも理解できそうな内容で、遺伝学のクイズも楽しめます。

 THE SELFISH GENE(利己的な遺伝子)は、R・ドーキンスの「利己的な遺伝子」を中心話題として、遺伝や進化学などの本の内容の要約などがあります。利己的な遺伝子とは、生物はその遺伝子を後の世代により多く伝えようとするという説で、このような遺伝子の性質を「利己的」と呼んだということだそうな。つまり自然淘汰の主役は遺伝子だったのです。この他にも、遺伝子治療やクローンについても学ぶことができます。
そのクローンを人間に実用化しようというのがClonaid(クロネイド)。「世界初の人間クローン作成会社」だそうで、ラエリアン・ムーブメントという宗教的団体の指導者ラエル氏が中心になって活動しているグループで、日本でもThe Raelian Revolutionという日本語サイトがあります。「クロネイドは20万ドルの低料金でクローンサービスを提供します」というのは、もちろん今すぐにではなく、実施できる段階に至ったら、ということのようですが…。

 ノムネットは、文部省のヒトゲノム計画下で、1994年にWWWサーバーとして作られたネットワークです。ご存じの方も多いでしょう。京大の化学研究所と東大医科学研究所ヒトゲノム解析センターの提供で、ゲノム情報やヒトゲノム計画、さらにはポスト・ゲノム時代の情報処理(計画によって得た生命の設計図をコンピューターなどの情報処理などに応用する)など、幅広い情報を得ることができます。
このヒトゲノム計画は日米欧共同の研究チームですが、これに揺さぶりをかけたのが前述のセレーラ・ジェノミクス社を設立したクレイグ・ヴェンター博士。Webでもなるほど、90%のヒトゲノムの解読を完了したとありました。速い事はいい事じゃない?と喜んでばかりもいられません。セレーラ社などの企業は解読した情報を有料で売る(特許申請している)からです。対して研究機関の共同チームも2005年解読予定を前倒しして、2003年までに完了を目指すそうです。まさにデッドヒートを繰り広げるヒトゲノム解読競争は、ますます加熱しそうな気配です。

 のような科学者達の熱い戦いに対して、人としての倫理を問うのがNHKの地球法廷。生命操作や遺伝子操作など、解読された遺伝子をどう利用するべきか?を視聴者と考える構成になっています。クローンは果たして人にも許されるべきか?遺伝子に特許は認められるのか?様々な意見を読むことができます。
人類が宇宙に飛ぶ時代になっても、人はどこから来てどこに行くのか?という素朴な疑問さえ解けていないのです。しかし、このヒトゲノムの解読によって、私たちは宗教や科学の領域を超えた、素晴らしい生命の存在に気付くことを期待したいと思います。


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  • Clonaid
    (http://www.clonaid.com/)